後世への最大遺物 (76)
<第一回>
そういう実業家が今日わが国に起らんことは、
神学生徒の起らんことよりも私の望むところで
ござります。
今日は神学生徒がキリスト信者のなかに
十人あるかと思うと、実業家は一人もないです。
百人あるかと思うと、実業家は一人もない。
あるいは千人あるかと思うと、一人おるか
おらぬかというくらいであります。
金をもって神と国とに事(つか)えようという
清き考えを持つ青年がない。
内村鑑三著 「後世への最大遺物」 より引用
●maliaの所感
金は天下の回り物、素早く手放すと
くるくる回って名前を変えて手元に
返ってくる。