今日は、朝から偏頭痛が止まらず、気分がすぐれません。そんな体調の中、久しぶりに演劇鑑賞でした。
 演題はALIVE:生きることの大切さ、伝えたい-。
 主催はNPO法人国際曲劇団。NPOの活動に関心がある小生ですが、数多くあるNPO法人のすべてを知っているわけではなく、この法人のことも今回初めて知りました。
 しかし脚本・演出/MARUとなると、これはもう飲み友だちにも近い関係で(笑)、その脚本演出で劇団32口径の役者さんが多数出演するということになれば、勇んで駆けつけなければなりません。
 会場はサンピアザ劇場。少々早めに劇場に入りましたが、開始時間までには超満員でした。

 事前にチラシを見て知ったのですが、公演のテーマが「自死・ドラッグ・エイズ・いじめ」と、非常に重たい内容でした。
 今回の主催が、社会的弱者に感動を与えることを通して共に助け合って生きる社会を作ろうというNPO法人ですので、その点では、今回のテーマを通して「自死・ドラッグ・エイズ・いじめ」とは無縁の我々に、こういった問題はすぐ我々の隣で起きていることを知らしめる意図があったのかも知れません。
 しかしもう一方で、「SENTENCE」「スロウダンス」などでも、脚本家MARUさんは見ている我々に何かを投げかける本を書いていましたので、主催者がどうあれ、MARUさんなら書きそうだな、と思われるテーマではありました。
 
 会場で配布されたパンフレットには、次のようにあらすじが書かれています。

「幼い美佳は、父親の暴力に怯える日々を過ごしてきた。そんな美佳を支えていたのは幼なじみの優(すぐる)だった。いつも優は、美佳を励まし元気づけていた。しかし母親の失踪により、美佳は施設に預けられることになる。やがて里親のところに引き取られるが、家族関係はギクシャクする。そして思わぬところから亀裂が入り、美佳はふと夜の街へ。そこで待っていたのは、底知れぬ深い闇と、巧妙に仕掛けられた罠だった。
 ドラッグという魔の手に陥り、組織に弄ばれる美佳。そういう状況の中、美佳は、幼なじみの優と再会する。美佳を救い出そうとする優だが、更なる悲劇が二人に襲いかかる。運命に翻弄され、傷ついた二人が選んだ希望への選択とは・・・。」

 美佳を演じた加藤ゆみさんは熱演でした。たしかカトユミさんは、「SENTENCE」でもちょっと不良がかった女子高生役を演じていたと記憶していますが、今回も崩れていく女子高生を体当たりで演じていました。カトユミさんはドラマシティでパーソナリティもやっていてしばしば聞いていますが、個人的には、カトユミさんの良く通る声が好きです。
 里親役は三富香菜さんと高井ヒロシさん。三富さんは「スロウダンス」でも母親役を演じていましたので、今回も違和感はなかったのですが、でも考えてみれば、里親とはいえ、母親役をするほどの年齢なんでしょうかね(苦笑)。一方の高井さんは相変わらずいい味を出していましたが、あの髪型に意味はあったのでしょうか。
 施設の職員役の佐藤雅子さんは感情を押し殺した演技が光っていました。屋木さんは今回は相当のワル。ピッタリはまっていたといったら屋木さんに失礼でしょうか。
 優役は金澤君。難しい役をこなしていたと思います。ただ、美佳がクスリを欲しがり、手や足を掻きむしる姿を見て、優がその様子のおかしさに気付いた場面は、あまりに感情移入しすぎていたかなと思いました。いや、それが悪いというわけではないのですが。福村さんはたぶんはじめて演技を見ましたが、これまたカトユミさんと同じく崩れていく役どころ(サキという名だったかな)をうまく演じていました。
 そして井口さん。今回は夜回り先生よろしく、夜の街で若者たちを更生させようとする役でした。ストーリー全体の中では、唯一笑いを取るシーンでしたが、愚直なまでに説得する姿は、美佳の境遇よりも涙を誘いました。
 今回は、劇団32口径の皆さん以外に、ジャパンフォレストの若者たちが多数出演していました。それぞれに夜の街に生きるワルを演じきっていました。今回は美佳と優の子ども時代を演じた子役が2名出演していましたが、演技がうまかったです。

 ところで、少し辛口の話をすれば、家出した美佳を心配した里親が施設を訪問し美佳の消息を聞き出す場面がありました。そこに、美佳を救い出して自宅に連れ帰った優の親から連絡が入ります。美佳の行状は里親に伝えられます。当然、美佳はクスリづけ、クスリ欲しさに不特定の男性に身を委ねるという悲惨な状況にあります。優の親にすれば、そんな娘を家に置いておくわけにはいかない、あるいは自分の息子の彼女だなんてとんでもない、と思って施設に連絡を入れたと思っていました。しかし、ストーリーは、優と美佳が一緒に住むという展開になり、妊娠することになります。果たして現実的にはそれ(つまり、優の親が美佳を受け入れること)が可能なことなのかどうか疑問でした。プロの脚本家であるMARUさんですからそんなことは百も承知だったのでしょうが・・・。陳腐なストーリーを考えれば、優の親は美佳を施設に戻そうとする、そこで優と諍いが生じる、しかし、優は美佳のもとに走る、なーんていうのはどうかなと思いましたが、MARUさん、いかがでしょうかね?
 そういえば、最後に出てきたMARUさんの白いスーツ姿、格好良かったなあ。

 毎週土曜日は17時からMARUの時間。でも今日は夜の公演のため番組はお休みで、ずっと音楽が流れています。
 そして小生はいまだ偏頭痛と闘ってます。その原因がわかっているだけに始末に負えません。こういった日常と演劇という非日常。あまりに不釣り合いすぎますね。(苦笑)
 上演時間1時間50分。