最近、個人対個人の金融が問題化しているそうです。
 そもそも貸金業を営むためには都道府県知事に登録をしなければなりません(貸金業法§3)。しかし業としてお金の貸し借りをしないということであれば、登録は不要。たとえばお金に困っている友だちがいて、一回限り手持ちのお金を融通する、というケースは、業として貸し借りをしているわけではないので貸金業法の規制の対象にはならないわけです。
 現在問題になっているのは、お金に困っている人がいる、貸してあげてもいいと思っている人がいる、そこに面識があるとか、友人関係があるとか、そういった関係がなくても、貸し借りが成立する、しかも、貸し手は不特定多数を相手にするというケース。その取引はすべてウェブ上で行われ、顔を合わせることもない。もちろん金利は発生しますが、これが出資法上の上限金利の範囲内であるといいます。とはいえ、踏み倒しや法外な金利を請求するケースなどもあって、それが問題になっています。

 ところで、似たような事例があります。
 英国で生まれたベンチャー企業Zopa。
 Zopaは、ソーシャル融資サービスを行う会社で今年の3月に日本に拠点を置きました。この仕組みは、ウェブを通して個人対個人の取引を行うもので、借り手が借りたい金額と希望金利を入力し、それを見た貸し手が融資するかどうかを決定するといいます(こんな記事がありました)。日本に拠点を置いたということは合法的な取引が成立する場と考えていいのでしょうかね(もっとも日本語版ホームページではまだ大きな動きは見られませんが)。

 銀行や消費者金融から金を借りるにはそれなりに審査が必要です。銀行や消費者金融に借りるほどのものでもないが、ちょっとお金が必要だというとき、借り手側にとっては便利であるのかもしれません。しかも金利などを含めて直接取引できるのは、ちょうど企業が資金調達をする際に用いる資本コスト計算にも似て、相手との交渉によっていかに安く資金を調達できるかを自分で考えることができそうです。

 お金を借りることができるのは金融機関だけという発想を変える点で、Zopaはまったく新しい枠組みを提示しているようにも思えます。しかし、いとも簡単にお金の貸し借りができてしまうことから、金額は小さいながらマネーゲーム化する恐れもありますし、今後ますます「お金」に関する教育が必要になると思われます。