連続して2冊の本を読みました。
坂口孝則『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書、2008年1月)
山田真哉『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い-禁じられた数字(下)』(光文社新書、2008年2月)
坂口氏は現役のバイヤーで、バイヤーと取引先との攻防を多くの事例を用いて紹介しています。会計という切り口から見れば「仕入」がいかに利益に影響を及ぼすかに特化しています。
また山田氏はいわずと知れた会計士。この本は前著の後編にあたり、帯を見れば「さおだけ完結編」。また完結したハズの女子大生会計士も登場します。
一見、関係のない2冊の本ですが、さまざまな事例を紹介していること、そして複眼的な見方(山田氏の本のタイトルはまさにそれ)がいかに大事かを語っていることで、共通点があるのではないかと思います。
ただ一方で、さまざまな事例を知るということは役立つことであり、複眼的な見方ができるようになることも重要であることをわかっていても、前者に比べて後者は、かなり難しいことでしょう。たとえば坂口氏は仕入に関する工夫として「誤差を利用して利益を生む」「仕入れ先を知りつくす」「仕入れルートを変えてみる」「レンタルできるものはレンタルを」という4点を挙げています[坂口、pp.79-104]。これらは仕入を固定的にとらえるのではなく、柔軟な発想で考えるべきであることを意味します。また山田氏も、タイトルにあるように、食い逃げされてもバイトを雇わないのは「会計的な行動」としては正しいが、安定を重視する非会計(ビジネス)の観点からは「食い逃げされないようにバイトを雇え」と述べています[山田、pp.188-192]。
しかし、これらの複眼的な見方は、一朝一夕で身に付くことではないことも事実でしょう。まったく経験のない人たちにとって、「仕入れルートを変えてみる」といわれても「どうやって変えるのか」という問題が発生しますし、「会計的な行動」と「非会計的な行動」を「どうやってバランスするのか」という疑問も発生します。これらのことは本を読んだだけでは解決しないと思います。
と、そんなことをつらつら思っていてこんなことを思い出しました。
小生、会計学の勉強を本格的に始めるキッカケは、指導教授の研究領域に共感を覚えたことでしたが、勉強を進めるうちに、その領域は「これを会計として意識的にとらえる必要がある」と気付いたことがありました。
会計のメインストリームでは見向きもされないことでも、見方を変えれば、メインストリームとは違う部分に光を当てることで、メインストリームの長所や短所が見えてくる。自分でいうのも面はゆいのですが、このことに気付いてから、ずいぶん勉強が進んだ気がします、いまだ到達点に達していない憾みはありますが。(苦笑)
閑話休題。
つまりは、この2冊の本は、単なる事例紹介にとどまらず、ものの見方・考え方を指南している本であると考えられ、「読者は、これを意識的にとらえる必要がある」というメッセージが含まれているように思います。
そういった点で、書かれている内容は読んですぐ身に付くものではないでしょうし、2冊とも、部分的には難しく感じるかもしれません(とくに山田氏の本は1時間半では読めないでしょう、きっと)。
ですが、こんな見方があって、こう考える場合もある、ということを「意識的に」読むと、「ナルホド」と思えるでしょう。
坂口孝則『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書、2008年1月)
山田真哉『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い-禁じられた数字(下)』(光文社新書、2008年2月)
坂口氏は現役のバイヤーで、バイヤーと取引先との攻防を多くの事例を用いて紹介しています。会計という切り口から見れば「仕入」がいかに利益に影響を及ぼすかに特化しています。
また山田氏はいわずと知れた会計士。この本は前著の後編にあたり、帯を見れば「さおだけ完結編」。また完結したハズの女子大生会計士も登場します。
一見、関係のない2冊の本ですが、さまざまな事例を紹介していること、そして複眼的な見方(山田氏の本のタイトルはまさにそれ)がいかに大事かを語っていることで、共通点があるのではないかと思います。
ただ一方で、さまざまな事例を知るということは役立つことであり、複眼的な見方ができるようになることも重要であることをわかっていても、前者に比べて後者は、かなり難しいことでしょう。たとえば坂口氏は仕入に関する工夫として「誤差を利用して利益を生む」「仕入れ先を知りつくす」「仕入れルートを変えてみる」「レンタルできるものはレンタルを」という4点を挙げています[坂口、pp.79-104]。これらは仕入を固定的にとらえるのではなく、柔軟な発想で考えるべきであることを意味します。また山田氏も、タイトルにあるように、食い逃げされてもバイトを雇わないのは「会計的な行動」としては正しいが、安定を重視する非会計(ビジネス)の観点からは「食い逃げされないようにバイトを雇え」と述べています[山田、pp.188-192]。
しかし、これらの複眼的な見方は、一朝一夕で身に付くことではないことも事実でしょう。まったく経験のない人たちにとって、「仕入れルートを変えてみる」といわれても「どうやって変えるのか」という問題が発生しますし、「会計的な行動」と「非会計的な行動」を「どうやってバランスするのか」という疑問も発生します。これらのことは本を読んだだけでは解決しないと思います。
と、そんなことをつらつら思っていてこんなことを思い出しました。
小生、会計学の勉強を本格的に始めるキッカケは、指導教授の研究領域に共感を覚えたことでしたが、勉強を進めるうちに、その領域は「これを会計として意識的にとらえる必要がある」と気付いたことがありました。
会計のメインストリームでは見向きもされないことでも、見方を変えれば、メインストリームとは違う部分に光を当てることで、メインストリームの長所や短所が見えてくる。自分でいうのも面はゆいのですが、このことに気付いてから、ずいぶん勉強が進んだ気がします、いまだ到達点に達していない憾みはありますが。(苦笑)
閑話休題。
つまりは、この2冊の本は、単なる事例紹介にとどまらず、ものの見方・考え方を指南している本であると考えられ、「読者は、これを意識的にとらえる必要がある」というメッセージが含まれているように思います。
そういった点で、書かれている内容は読んですぐ身に付くものではないでしょうし、2冊とも、部分的には難しく感じるかもしれません(とくに山田氏の本は1時間半では読めないでしょう、きっと)。
ですが、こんな見方があって、こう考える場合もある、ということを「意識的に」読むと、「ナルホド」と思えるでしょう。