今朝の地元紙に、「障害者30人不払い運動 自立支援法に抗議」という記事が掲載されていました。その舞台となったのがNPO法人が運営する地域活動支援センターでした。
 小生もNPO法人の経営や会計にかかわらなければ素通りしていたかもしれませんが、NPO法人の中でも福祉や保健に関する事業を行う法人が多いことから、この記事は無視することができませんでした。
 地域活動支援センターなる名称は障害者自立支援法で定められているようですが、かつては小規模作業所といわれていた施設が地域活動支援センターの傘下に置かれたようです。作業所を地域活動支援センターの下に置くというだけなら問題なしなのでしょうが(実際、事業者の中には作業者の名称が変わっただけと考えている方もいるようですが)、最大の問題は、障害者の地域社会での生活を支援する事業なのだから、利用者(=障害者)も、支援事業に対して幾ばくかの(利用料の1割)を負担しなさいという発想のようです。障害者は、センターで働けば給料がもらえます。しかし、我々が働いてもらう給料は、税金や社会保障費が差し引かれますが、職場を利用したのだから利用料を支払うということはありません。新聞の記事では、「働きに来ているのになぜお金を払う必要があるのか」と訴えていると書いています。

 そんな記事を読んだのち、午前中に、小生がお手伝いしているNPO法人の仕事のため、NPO法人が運営する、ある地域活動支援センターに行きました。
 実はこの法人が運営する地域活動支援センターは、正式には地域活動支援センターとは認められていません。というのも、地域活動支援センターには、サービス管理責任者を置かなければならず、そのサービス管理責任者になるためには、5年間の実務経験ののちに試験を受けて合格しなければなりません。
 この法人のサービス管理責任者予定者は、実務経験が4年で、来年受験資格が与えられるそうで、制度上は、経過措置として地域活動支援センターを名乗ってもいいということになっているそうです。ある意味、救済措置といえなくもありませんが、来年、この予定者が試験に合格しなければ、有資格者を新たに雇い入れなくてはならないらしく、それはそれで法人の人件費負担になり、事業者側にとっても厳しい状態であるといいます。
 家の中や病院に閉じこもるしかなかった障害者の自立を促し、それを地域社会が支援するという考え方は間違ってはいないと思います。
 しかし問題は、ただでさえ給料が低い障害者から、利用料を取ることが果たして妥当なのかどうか。旧制度では、訓練の場として作業所が利用されていた側面が強いようですので、給料が低くても我慢できていたのかもしれませんが(その額は決して生活できるレベルのものではありませんが)、新制度では、自立の場としてセンターが使われることになりましたので、同じことをやっている障害者が、「なんだこれは!」という気持ちになるのは当然のことでしょう。
 今日訪問した地域活動支援センターも、収支計算書を見る限り収支がトントンですしお金は回っています。しかし、貸借対照表を見れば、財産はほとんどありません。つまり入ってきたお金がそのまま出て行ってしまい、何も残らない状態です(大多数のNPO法人が同じ構造の決算書です)。さらに、一見、回っているように見えるお金も、実は法人の理事長やその身内の従業員へは報酬ゼロか、あるいは給料の未払い状態の中で回っているように見せているわけです(支払うお金がないのですから支払えません)。

 今日は、NPO法人の記事とNPO法人への訪問から、「平等」という考え方のレベルについて、ちょっと考えた一日でした。