小川プロダクション
『三里塚の夏』を観る
―映画から読み解く成田闘争
太田出版刊
『日本解放戦線 三里塚の夏』
は小川紳介監督の代表作にして、世界の映画史に燦然と輝く記録映画の傑作である
続く6作と共に、三里塚一大叙事詩が描かれる
『三里塚の夏』は小川紳介監督の急死後、続く、小川プロダクションの解散により、Blu-ray等は販売されず
鑑賞の手段が、一部の映画祭、放映に限定されていた
小川プロダクション
『三里塚の夏』を観る
の刊行により広く一般に鑑賞される機会を得た
冒頭から
三里塚・芝山連合空港反対同盟と機動隊の闘争が描かれる
作品は、支援者らの証言などで構成されるも
小川紳介監督は、敢えて、意図的に説明臭を排除し、
小川紳介監督は敢えて意図的にわかりやすく描かない
わかり難さが信条の
『三里塚の夏』
を
小川プロダクション
『三里塚の夏』を観る
は、座談会などを交えながら読み解く、構成である
映画は
柳川初江氏の
『賛成の今やってる、している人間ら(条件派)よりも、幾分、人間の価値があんのかな、と想うな』
と云う
印象的な発言で締めくくる
心憎い演出である
小川プロダクション
『三里塚の夏』
を観る
の刊行を契機に
三里塚地区の歴史、及び、現状が広く、一般に周知される、原動力となり
無念の想いで、散っていった、先人達の為にも
成田空港が廃止され
本来の土地の地権者に土地が返還される起爆剤となればと切に願う
三里塚については、参考までに
『三里塚アンドソイル』
福田克彦著
平原社刊
及び
戸村一作氏の著作を参照されたし