「ん、んぁ?

ふぁー今何時やぁ?」

「お前学校に何しにきてんねん

朝来て寝て今は昼休みやで!」


「眠いもんは眠い

ま、寝ても成績取れるから

問題ないやろー」


ガラガラ


「彩っ」


「ん?何か用?」


「お弁当

取りに来て言うたやん」


「あー忘れてた」


「もぉフフフッ

じゃあ放課後ね」


「おー


「有り得へん

なんで学園のマドンナが

こんなやつと付き合ってんねんっ!!」


「耳元で叫ぶな!

俺ら付き合ってへんし


「はぁもったいない

分かってへん

ええか?山田先輩の人気は

もはや芸能人並や

現にスカウトも来てたやん」


「アイツに芸能界は無理やって

アホやし」


「はぁ

お前は好きちゃうん?

気づかへんふりしてたら

誰かに取られんで?」


「誰も取らんやろー」


「もぉええわ」


なんやねん上西のやつ

菜々とはずっと幼なじみ

恋人とかじゃなくて

家族みたいなもん

特別意識したこともないし

上西が言いたいこともよーわからん


「菜々~迎えに


「ホンマに?木下くん」

(ホンマやって

菜々が行きたいなら行こうや)

「やったぁー!」

(デートやな)

「二人?」

(おう、アカン?)

「別にええけど」

(やった!

んじゃ終わったら俺の家おいでや


教室に迎えにいったら

そんな会話が聞こえた

アイツ3年の木下や

チャラいで有名なやつ

菜々にベタベタ触んなや

てか、家とか


「菜々!帰るで」


「彩?」


(なんや2年の山本やん

菜々のことは

俺が送るから別にええで)


「はぁ?ええわ」


(お前彼氏でもないやろ

ただの幼なじみが


「菜々は俺のや!」


「え?」


「行くで菜々」


「ちょ、ちょっと!」







「なんやねんアイツは

ベタベタしやがって

菜々もあんなんに

ついていくなや!」


「う、うん」


「なんやねんその顔」


「いやあのさっきの

言葉の意味は?」


「言葉の意味?」


「私は彩のなん?」


「へ?あーえっとそれは」


「違うん?」


「そーやけど


「じゃあ何か言うこと

あるやろ?」


「言うこと?」


「もぉ彩は私のこと

どう思ってるん?」


「幼なじみ?」


「はぁもーええわ」


「ちょっと何怒ってんねん」


よく分からんくて

肩を掴んで振り向かせたら

胸元からネックレスが

これって

小さいとき俺があげた


「これ渡した時のこと忘れた?」


「あ…///


菜々は俺のや!俺の奥さんっ


「私、待ってるんやけど

でも彩は私のこと幼なじみとしか


そう言って泣き出した菜々

昔からコイツの涙に弱い

涙を拭いて目を合わすと

なんだか少しセクシーで

胸が速く動いた


「彩?」


「菜々


「もう、これ捨てた方がいいかな?」



「ごめん、もう


「捨てんな


「え?」


「今ちゃんと菜々に

俺の気持ち伝えられへん

でもちゃんと伝えれる時が来たら伝える

だからそれまで俺のものでいてくれ

そしていつか

そんなものに頼らんで

オレのものにするから


「フフフッキープ?贅沢やな」


「うるせ


期待してるな??」