(もう、別れる!)


はぁ」


「つずかへんなぁ〜」


「うっせ


俺とおる方がよっぽど楽しそうやで」


「まぁ


「1ヶ月超えた子は1人だけやで」


「あぁ


「菜々ちゃんと付き合ってる時

幸せそうやったけどな」


元カノの山田菜々

高校卒業して山田は大阪から出ていった


結婚とかできひんのちゃう?」


岸野の言う通りや


ドンッ


「すいま…山田…」


あ…久しぶり」


「あぁ久しぶり」


山田は大人になっていた

ババアなんていじってたけど

年齢にあっていて胸がドキッとした


「ここで何してんるん?」


「仕事帰り」


「そうか」


「彩は?」


「じゃあ


山田が横を過ぎようとする

俺は思わず腕を掴んだ


「彩?」


「い、いやその...

ほら、せっかく再開したし

飲みに行かへん?」


...ええよ」


山田と飲みに行くことになった


てかもう顔赤いで?

弱いんか?」


「そんなに強くないかもっ

すいませーん!おかわりー!

…彩は今まで何してたんー?」


「まぁ色々と」


「彼女できたぁー?」


「まぁ…山田は?」

「内緒ぉー!」


お酒を飲む横顔は綺麗やと思った


山田とはよく会うようになった

飲みに行っては山田をタクシーに乗せ

次の日に謝られる

二人で色んなことを話した


「おかわりぃー


「はいはいアカンってば」


いつもみたいにタクシーに乗せて

お金を払おうとした時

山田に腕を引かれ俺も車内へ


「山田?」


「まだ一緒にいて


走り出すタクシー

特に何かを話すわけでもなく

車内で揺られるだけ


「ほれ、水」


山田の家について

水を渡し隣に座る


「大丈夫か?」


「んー休憩」


「ちょ、ちょい」


俺の肩にもたれかかかってきた


「あのなぁ


「なぁ、彩

久しぶりに会った日

彩に内緒って言うたやん」


「内緒?」


(山田は?)

(内緒ぉー!)


「あぁ」


ムカついたから」


「え?」


「彩は色々付き合ったんやって

私は別れたんなんか思ってへんのに…

連絡したかったけど

彩の重荷なりたくなかった

嫌われたくなかった

私はずっと彩が好き」


潤んだ目

赤い頬

限界やった


ンッ」



「なんで?なんでキスするん?

彩も酔ってるん?」


「酒強い」


「じゃあ何でよ?」


「高校のとき付き合うって何かわからんくて

山田に何していいか分からんかった

大人になって彼女できても無理やった

いつもお前が出てきた」


「私が?」


「気づいたんや

俺は...山田が好きや

傷つけてごめん」


「遅いねんアホぉ


「ごめんなこれからは

ちゃんと大切にするから俺と付き合って」


しゃーないな」


「なんで上からやねん」


「立場は上です~」


「はぁ?ンッ」


「ヘヘッ好きっ」


「俺も好き」

「カッコいい///」


おデコにキスしたらもっと赤くなった


「責任とってずっと一緒にいてや?」


「うん!」