山本彩は私の幼馴染

この物語のある意味ヒーロー

人見知りで一人が好きなくせに

めっちゃ寂しがりや

でもそんな感じが逆にクールで…


(彩くんおはよ!)


(おはおは)


「おう」


…ムダにモテる

でも彩はまったく興味なし

だってこいつらザコキャラやし

他の人はただの通行人役やし

えっ?じゃあ私は何役だって?


「彩!」


「おう」


あたし渡辺美優紀は

これから彩と

結ばれる予定のヒロイン!


「さやおうっ!」


ハハハッ


パシャパシャ


「え?ちょっと彩!」


彩がヒーローの物語だとして

あたし以上にそのヒロインに

ふさわしい子なんておらへん

どうしてかって?幼馴染なんやで

彩と誰よりもそばでずっと

見守ってきたんやで

そう、あの日からずっと…


(なぁ彩)


(お前の母ちゃん

家出たってマジ?)


(ちげぇよ駆け落ちやで)


(駆け落ち!?ドラマみたいやん)


「黙れー!」


(キレたで!)


「待てお前ら!」


「あかんで彩!

あんな奴らほっとき

ダチでも何でもない」


何でこんなに

熱くなってるかって言うと

ちょうどその頃

ごくせんのヤンクミにハマっててん


「彩よーく聞きな

どんな時やって

あたしはあんたの味方やで」


2人はただの同級生

でもこの時恋が始まった

あたしは自分のことを

守ってくれるような人に

憧れてたんやけど

彩を守ってあげたいって

思うようになって

そして成長と共に

その思いは愛へと変わる…