時計を見ると夜の9時だった


「彩遅いな

連絡つかへんし

会社行ってみようかな


会社の玄関にて


「あのすみません」


(あれ?美優紀さんどうしました?)


「旦那がまだ帰って来なくて

ちょっと来てみたんです」


(彩さんならさっき

まだ仕事してましたけど

行ってみますか?)


「はい、そうします」


美優紀は彩を

探しに行った


「彩ー?」


(あれ?いないですね)


彩のデスクへ向かうと

倒れている彩を見つけた


「彩!大丈夫!?

意識がない

救急車!」


(は、はい!)


「彩!彩!」


数分後俺は救急車で運ばれた


「自覚症状あったでしょ、

先生が白血病だって」


「うん


「なんで言ってくれなへんかったん?」


美優紀の負担になりたくなかったから


「私そんなに頼りない?」


「そんなことないよ


「ちょっと売店行ってくるね」


「う、うん」


病室を出ると

彩のお母さんがいた


(美優紀ちゃん

どうしたん?)


すみません」


(あっち行こうか

美優紀ちゃん大丈夫?)


私悔しくて彩が

あんな状態だったことに気づけなくて

いつも一緒にいたつもりなのに


(男って馬鹿よね

あの子の父さん、

私の旦那も白血病だったの)


「そうだったんですか


(あの人も彩と私を

なんとか養おうとして

いつも必死だった

私はあの人は強い人だと思い込んでたの

あの人は特別なんかじゃない、

私達と一緒なんだって

それに気づいたのはあの人が倒れてから)


「お母さん


(あの子について先生からなんて?)


「あと2ヶ月だって言われました


(そうほんと親不孝ね)


2人は病室に戻った


「母さん


(今は大丈夫なん?)


「あぁ


(ならよし)


「え?」


(血は争えんね

父さんの方がかっこよかったけど)


なにそれ」


「彩


「美優紀、俺の身体どうなってる?」


「え


「大丈夫、言って?」


「あと2ヶ月って言われた」


そっかごほっ」


「大丈夫!?」


うん、大丈夫大丈夫」


「横になりなよ、ほら」


「ありがと」


俺はなるべく美優紀と

一緒にいることに決めた