「はーい皆さん

次は国語の時間です

作文書いてきましたか?」


『はーい!』


「じゃ発表しましょう」


タイトルは何と家族やった

木下先生のことを少し睨む

家族って彩にとっては

かなり辛いタイトル...


「はーいでは渡辺さん」


「私の家族、渡辺彩

私の本当のママは遠くにいます

私は4歳の時にパパとさよならしました

その後は怖いおばちゃんと

一緒に暮らすはずやったのに

みゆちゃが来てくれました」


周りの人たちがざわざわし始めた

黙って聞いてほしい


「みゆちゃは私の親戚です

会ったことはなかったです

でも初めて会った時から

みゆちゃは笑って

ギューってしてくれました

そして僕の...


「彩?」


彩は涙を流す

その顔を見て

成長したことが分かった

泣けるようになった

強くなった

そして弱くなってくれた


「僕の...家族になってくれました

みゆちゃは芸能人です

すごく人気者です

皆からキャーキャー言われます

でもみゆちゃは僕が好きです

僕はみゆちゃが大好きです」


クラスが静かになる

誰もが彩を見る


パチパチパチッ


音の方を見たら

茉由ちゃんが拍手をしていた

それにつられて

皆が拍手をする

私は拍手が出来なかった

だって涙を拭いていたから


「木下先生」


「渡辺さん

お久しぶりですね」


「すみません彩のこと

任せっぱなしで」


「いえいえ

でも今日で分かりました

彩くんホンマに強くなった」


「えぇ」


「残り少しなのが

寂しいですね」


「もう中学生か...