「おはよ彩」


「みゆちゃおはよ...ゴホッ


「彩?」


「お腹しゅいた」


「すぐ作るな」


今日はなんか元気ない気がする


「もういらんの?」


「ごめん...


「別にええけど

体調悪...


プルルルル プルルルル


「もしもし」


(あ、みるきー

今日ロケあるから

早く来てほしいねん)


「分かった...

彩準備できた?」


「うん」


彩を送って現場に向かう

ロケは結構楽しかった

オンエア楽しみやな~


「このケーキください」


(彼氏さんにですか?)


「そんなんちゃいますよ

もっと大切な人のためです」


「みるきー休憩やから

車に戻るで」


「分かった」


休憩で休んでると

あーぽん先生から連絡がきた

彩になんかあったんかな!?


「もしもし!」


(お仕事中にすいません渡辺さん)


「全然大丈夫です

それよりどうしたんですか?」


(彩くんが熱出しちゃって

結構高いんですよね

病院に連れてきてるんですけど

迎えに来れますかね?)


「いや...えっと」


(一応私が見ておくので

今は点滴してもらってて

心配はないですけど)


「分かりました」


彩が熱?

ホンマに大丈夫かな?


「みるきーどうしたん?」


「彩が熱を...


「マジで!?」


「里香ちゃん悪いけど

先に戻って彩迎えに行って

安心させたいしロケも頑張るから」


「分かった」


スタッフに頼んで

急ぎでロケを進めた

さすがに仕事はできひん

彩も大切やから


「彩!」


「シィー!

やっと寝てん」


「そうなんや」


「さっきまではずっと

みるきーのこと呼んでたんやで

帰ってくる?って言ってたんやで

やっぱ怖いんやと思う

熱も下がらへんししんどいと思う」


「うん...


「明日の仕事は全部

他の日にするな」


「できるん?」


「やってやるよ

マネージャーナメるんやないよ

でも1日しかオフにできひんで」


「ありがと里香ちゃん」


「彩くん安心させたいし

じゃ仕事現場に戻るな」


「うん」


彩に近づくと

頬は真っ赤やった

息も苦しそうやし

触ると熱かった


「ごめんね彩...


「みゆ...ちゃ」


「ん?」


「いかない...で」


彩の目からは涙が流れてた


「どこにも行かへんで

私はずっと彩のそばにおるで...

ホンマに私は何にもできひんな」