「みゆちゃ」


「どうしたん?」


「これあげりゅ」


「何これ?」


「お手紙」


「お手紙?

授業参観の案内か」


「しゃんかん?」


「しゃんかんやなくて参観

パパとママが

うちの子頑張ってるかなって

見に来るやつやで」


「そっか」


「この日か...


「みゆちゃ来ちゃダメ」


「え?」


「さーちゃんはずかちいから...


「彩...?」


「だから来ちゃダメ」


「う~ん...あ!

保育園の時間やで彩

準備できた人」


「はーい!」


「よし行こ!」


彩を預けて向かったのは

お姉ちゃんの家

仕事は午後からやから

午前はお姉ちゃんに呼び出された


「みるきーいらっしゃい」


「なに呼び出して?」


「最近どう?」


「普通やけど

彩も少しずつやけど

心を開いて...あ」


「どうしたん?」


「お姉ちゃんさ

凪ちゃんの参観行ってた?」


「当たり前やん

みるきー行かれへんの?」


「その日収録あるから

なんとか里香ちゃんに頼もうとしたけど

彩が来て欲しくないって

恥ずかしいとか言っててさ」


「みるきーアホやな

来て欲しいに決まってるやん

みるきーに気使ってんねん」


「え?」


「仕事の邪魔になるって思ってるんちゃう?

彩くんのお父さんだいぶ仕事人間で

当たってたみたいやし」


「そうなんや...


「まぁみるきーが正しくしつけへんとね

褒めるだけがしつけちゃうで

ちゃんと悪いことしたら怒って

その分他のことはちゃんと褒めるねんで」


「はい...


「頑張りや、新米ママさん」



収録が終わって

彩を迎えに行った

なぜかお姉ちゃんも一緒に来た


「えっと彩は...あ!」


園庭の端で彩がいた

彩の横には泣いてる子がいた


「彩!」


「みゆちゃ」


「喧嘩したらあかんやろ!」


「え?」


「友達泣かせたらあかんで!

ちゃんとごめんなさいしなさい」


「ごめんなさい...


「よし」


「渡辺さん違うんです」


「へ?」


「実はこの子彩くんのことが好きで

彩くんは私のやってみんなに言ったんです

そしたら彩くんが僕は物じゃないって言ったら

この子が泣いちゃって

彩くんが今慰めてるんですよ」


「マジか...


「彩くんモテますからね

こういうこと結構ありますし」


「みゆちゃ僕怒ってへんで...

ヨシヨシいい子いい子」


「彩...


「これはどっちが

親かわからへんな

頑張りや、新米ママさん」