「彩なに食べたい?」


「カレー」


「よっしじゃ

今夜はカレーだ!」


「うん」


家に帰ってカレーを作ってると

おもちゃと遊んでた彩が見えた

ホンマに大人しいんやから


「彩ー」


「ん?」


「手伝って欲しいんやけど」


「なに?」


「玉ねぎの皮剥いてくれへん?」


「うん」


彩は玉ねぎの皮を剥いてくれた


「みゆちゃ」


「ん?」


「お目めがいちゃい」


「玉ねぎは目が痛くなるねん

彩泣いてみな」


「いや!」


「痛いままでええん?」


「ック、ック

うわぁぁぁぁん!」


「よしよし

彩はええ子やな」


「さーちゃんええ子なん?

泣く子は悪い子やで」


「ちゃうよ彩

泣くのは悪いことやない

いっぱい泣いたら

痛いことなくなるねんで

痛いの治ったやろ?」


「うん...


「苦しい時や悲しい時は

泣いたらええねん...

じゃカレー...


ギュッ


「彩?」


「ッ...ック

何でパパ死んだん?

何でさーちゃんを1人にしたん?

さーちゃんええ子で待ってたのに

パパは仕事が終わったら...ック」


「彩...

大丈夫やで彩

彩は1人やないねんで

彩には私がおるから

私があんたのパパにでも

ママにでもなってあげる」


「ック、うわぁぁぁぁん!」


彩はしばらく泣いた

でもすぐに泣き止んだ

彩に対しては少ない涙やった

もっと泣いたらええのに


「カレー美味しい?」


「うん」


「よかった」


「みゆちゃ」


「ん?」


「みゆちゃのお仕事は

写真パシャパシャ?」


「そうやで

綺麗にしてもらって

写真を撮ってくれるねん」


「さーちゃん見たい!」


「見る?」


「うん」


私は彩に自分のグラビア写真を見せた

見てる彩の目はキラキラしてた


「どうやった...あ」


スースーぐぅぐぅ


「寝ちゃったか」


彩を抱えると

いつもより重かった

寝てる時に重くなるのって

ホンマやったんや


「みゆ...ちゃ」


「寝言か...

大丈夫やで彩

アンタことは

私が幸せにするんやから

だから自由に生きるんやで」