「彩行くでー」
「どこ?」
「保育園」
「ん?」
「お友達いっぱいできるで」
「お友達...」
あんまり分かってへん彩を連れて
保育園へ向かった
「今日からお世話になる
山本彩なんですけど」
「お待ちしてました
彩くんの担任の沖田彩華です
あーぽん先生でいいですよ」
「あぁはい」
「彩くんこんにちは」
彩は黙って
私の後ろに隠れた
「この人は彩の先生やで」
「せんしぇ?」
「先生やで
お願いしますって
言うんやで彩」
「お願いしましゅ」
(先生この子誰?)
(新しい子や!)
「今日からみんなと
お友達になる彩くんやで」
「これがお友達なんやで彩」
「みゆちゃはどこ行くん?」
「お仕事があるねん
私がお仕事してる間は
みんなと仲良く遊んでな」
「みゆちゃはお仕事なのに
さーちゃんは遊ぶん?
さーちゃんお仕事しゅる!」
「なに言うてんねん
子供の仕事は遊ぶことやで
ちゃんと迎えに来るから
いい子にしといてな」
「いい子にする!」
(彩くん行こー!)
彩は子供たちについて行った
「大丈夫かな?」
「彩くんなら大丈夫ですよ」
あーぽん先生が指さす方を見ると
彩が女の子たちと話していた
(遊んだことないん?)
(私たちが教えるね)
「ありやとっ!」
((///))
彩は女の子にモテモテだった
「将来はもっとモテモテですよきっと」
「すごいわ彩」
仕事に向かって
新しい写真集の取材をして
色々してたら遅くなってた
急いで保育園へ向かった
「すいません
遅くなってしまって」
「いいですよ」
「彩は...」
「おとなしく遊んでますが」
「何かあったんですか?」
「少し怖がってましたよ
本当に渡辺さんが帰ってくるのかって
福本さんから聞きましたけど
やっぱり不安なんだと思いますよ」
「不安...」
「彩くんすごい我慢をする子で
さっきブランコ乗りたかったのに
暗いから少しだけって言ったら
じゃ今度乗るって言ってたんです
普通の子供なら我慢せずに
ずっと遊んだりするんですけど
彩くんはただ笑ってごまかしてました」
「やっぱり」
「私たちもサポートします
彩くんがちゃんと子供になれるように
頑張りましょうね」
「はい」