ピンポーン


「どうせ寝てるんやろう」


私は岸野里香

渡辺美優紀のマネージャー

みるきーは勝手な人や

まぁスタイルはいい

今日はオフやけど仕事が入ったから

不機嫌いなると思う


ガチャッ


「みるきー?悪いけど...

誰もおらへん」


「あの」


「ん?ってうわっ!

きみ誰なん?」


下を見ると

小さな男の子が

必死にドアを開けていた

菜々さんのとこの子供ではない

もしかして部屋間違えた?


「きしにょ!」


「きしにょ?

もしかして私のこと?

でも何で名前を知ってるん?」


「みゆちゃが言ってた」


何が何だか分からへんけど

キッチンに行くと

みるきーガチャ料理してた


「里香ちゃんどうしたん?」


「いやそれより

この子誰なん?」


「私の子の彩」


「いつの間に産んだん!?」


「産んだんやなくて

引き取ってん」


「はぁ!?」


そこからみるきーから

全部話を聞いた


「まぁ分かったけどみるきーが?」


「そうやけど

何の用なん?」


「悪いけど撮影が今日になってん」


「えー嫌や!

明日でええやん」


「スタジオでのこと撮影やから

明日は使われへんねん」


「でも彩が...

じゃ里香ちゃん見てて」


「はぁ!?無理無理無理

子供苦手やねんってみるきー!」


「すぐ終わらせてくる

必要なものは

メールで教えるから」


「ちょっ...まじか」


下を見ると

彩くんが首を傾げてた


「えっとまぁとりあえず

初めまして岸野里香でし」


「山本彩でしゅ」


「ちょっとサ行が苦手なんやな

さすがにきしにょは困るから

里香でええよ」


「いか?」


「里香!」


「里香ちゃん!

お人形さんの名前や!」


「あーリカちゃん人形ね」


そして私は彩くんと遊んでると

みるきーが帰ってきた


「ただいま~」


「ほーれブーン」


「里香ちゃんもっと高く!」


「よっしゃ...みるきー」


「みゆちゃ!」


「楽しそうやん

子供苦手やなかったん?」


「まぁつられてん」


「言っとくけど

彩は私のやから」


「分かってるって

じゃ私行くわ」


「うん」


「里香ちゃん!」


「ん?」


「はい、これ」


「何書いたん?」


「里香ちゃん書いたの」


「ありがと」


わかりズラい絵やけど

まぁありがたいわ


「またあそぼ!」


「また遊ぼな」


「彩バイバイして」


「バイバイ!」


「バイバイ」


そして車に戻って

絵を見ると笑顔が消えなかった


「もう少し早く出会ってたら

私が引き取ってたかも...

なんてな」