「夕飯できたで」


「オムライシュ!」


「オムライスやで」


ピンポーン

ガチャッ


「お姉ちゃん?」


「上がるで」


「ちょ、ちょっと!」


突然来たお姉ちゃんは

リビングに行った


「彩くん

もう食べんでええで」


「はぁ!?

私やって料理できるんやで」


「量多すぎ」


「え?」


「味付けも大人と同じようにしたやろ?

小さいんやから薄味にせんと

それとお皿プラスティックにせな危ないで

スプーンももっと小さいの!」


「はい...


「みるきー分かるやろ?

大人になるって大変なんやで」


...


「はい、これ」


「入学届け?」


「預かるとか言うて

何も考えてへんやろ?

アンタが仕事してる時

彩くんをどうする気やねん?

そこ凪沙が通ってた保育園

だいぶ融通聞し

先生たちも優しいから」


「ありがと」


「ホンマにアンタは何にも考えずに」


「ママみるきーの為って

嬉しそうやったで」


「凪沙!」


「お姉ちゃん...


「一度育てるって決めてんから

責任もって育てるんやで

おもちゃやないねんで

大切な命なんやからな」


「分かってる」


「また何かあったら連絡して

母親の先輩として教えれるから」


「うん」


「凪沙帰るで」


「バイバイみるきー」


「バイバイ...彩」


「ん?」


ハハッ口の周りに

ケチャップついてんで」


「んーんっ」


「はいとれたで」


「あんがと」


「ちゃんと育てるで

私が彩を幸せにしたる」


「ん?」


「まだ分からへんか...

明日買い物行こか

彩が必要な物いっぱい買わへんと」


「さーちゃん?」


「好きな物買ったるで」


「ん?」


彩は分からへんらしい

まぁ後で分かるやろ


そして朝

彩と一緒に買い物に行った


「買う物多いなぁ」


...


「彩?...あ」


彩が見つめてるのは

おもちゃコーナー


「彩のおもちゃ買わへんと」


「いらない...


「何で?」


「いいの!」


「ねぇ彩

何でおもちゃいらへんの?」


「おもちゃで遊んでたら

大人にならへんって」


「またそんなこと...

それは嘘やで彩

ちっちゃいうちから遊ばへんと

大人になられへんねん

アンタの仕事は遊ぶことや」


「しごと?」


「そうやで

欲しい物言ってみ」


「これ」


「それと?」


「これ」


「まだあるんやろ?」


「あれ」


「それだけ?」


「うん」


「じゃこれ買うね」


「みゆちゃダメやで

みゆちゃのお金が」


「子供がお金の心配しないの」


「うん...


色々買って家に戻った


「夕飯何が...寝ちゃったか」


スースー


「さすがに疲れたよね」


おもちゃを抱きしめて寝る彩は

幸せそうやった


「ずっとその顔にしたる」