「みるきー何言ってるん!?」


「この人らは

彩のことを大切にできへん!

私ならできる!」


「みるきー!

子供を育てるって簡単やないで

一つの命を預かるんやで!」


「確かにあったばかりやけど

私は彩と生きていきたい」


「アンタ酔ってるん?

いいから一回


「お姉ちゃんええんちゃう?」


「朱里


「みるきーなら彩くんのことを

幸せにできると思うで

あの人らよりは」


「黙って聞いてたら

アンタら一体


「隣の部屋での会話

全部聞こえてましたから

お金のことはご心配なく

みるきーの貯金すごいんで」


「失礼しました!」


「お姉ちゃん

みるきーのこと信じようや

みるきーは一度自分から

やるって言うたら

ちゃんとやるやん」


「でも


「私たちが支えよ」


「ママ!

凪咲は彩くんと

お友達になりたい」


「好きにすれば」


「やった!彩」


何が起こったのかが

よくわかってない彩を

私は抱き上げた


「私と一緒に暮らそ」


「さーちゃんお金ないで」


「お金はいらんで

彩がおったらええねん」


「?」


私は彩を家に連れてった


「ここが今日から彩の家やで」


「おおきい


「最上階じゃないけど

なかなかええところやで

じゃ入って


「お邪魔します


「ただいまやで彩」


「ただいま?」


「そう、ただいまや」


「ただいま


「お帰り」


そう言ったら

少し笑ってくれたら


「お姉ちゃん」


「美優紀やで」


「みゆちゃ?」


「み・ゆ・き」


「みゆちゃ」


「まだ小さいからええわ

これからはみゆちゃでええで」


「みゆちゃ!シー」


「どうしたん?」


「静かにしないとおこられりゅ」


「怒られる?」


「パパがいない時の

かしぇいふしゃんが

うるしゃくしたらたたくの」


彩が礼義正しいというか

子供らしくないのは

しつけができてるんじゃなくて

恐怖から来てるんや


「ここはな防音って言うて

静かにしなくてええねん

だから気にしないの」


「うん


この時の笑顔は

ちょっとだけ子供やった