火葬が終わると

みんなで昼ごはん


「美優紀ちゃんすごいね」


「いつか売れるって思ってたで」


見え透いた嘘ばかり

私は彩が気になっていたので

その人たちとは話さなかったら


「あの


「あら美優紀ちゃん」


「彩は?」


「多分そのへんで遊んでるんちゃう?」


こいつは何言ってるん?

父親が死んだのに

遊べるわけないやろ


「お姉ちゃん

ちょっと出てくる」


「みるきー?」


私は彩を探しに行った

どこ行ったんやろ


どこ言うこと!?」


隣の部屋から声がしたい

覗いてみると

彩を預かると言ってた

おじさんとおばさんが話してた


「じゃお金は入らんの?」


「仕方なりやろ」


「じゃ何の為に預かるん?」


「かわいそうやんか」


「かわいそう?

かわいそうなのはお金なしで

あの子を預かる私たちよ!

それにあの子はずっと笑ってたんやで

頭おかしんちゃう?」


参加者はこのおばさんが

いい人って言うけど

本当は金のためで

彩をちゃんと育てへん


怒鳴ろうとしようと思った時

下を見ると彩がいた


「怖い顔しちゃダメ」


「聞いてたんか?」


「さーちゃんが悪いねん

悪い子やったから

パパがなくなっちゃった」


「アンタは悪くないで」


「パパはいっつもさーちゃんの為に

お仕事をするねん

だからパパ頭いたいいたいになって

おっきしなくなった


「彩

あの人たちのとこ

行きたくないなら行かなくていいんやで」


「ううん

さーちゃんいい子になる

おばちゃん怖いけど

さーちゃんがんばゆ」


「アンタ


「ありやとお姉ちゃん」


何やねんほんまに

なんで笑うねん


「さよなら


車に乗り込もうとする彩は

一瞬こっちを見てニコって笑った


「みるきー


「どうしたん凪ちゃん?」


「凪咲な

彩くん笑ってるのに

泣いてるみたいに見える」


そうやんな

彩は笑ってない

ずっと泣いてる


「凪ちゃん

私はお母さんになれるかな?」


「みるきーならなれるで!

優しいし遊んでくれる」


「ありがと」


「では皆さん


「ちょっと待ってください!」


「みるきー?」


「美優紀ちゃんどうしたん?」


「申し訳にですけど





彩を私にください!」