プルルルル プルルルル

「うるさいな…」

from:お姉ちゃん

11時に迎えに行く
準備しといてや

「あと30分やん…」

またちょっと寝て
起きてキッチンに行くと
姉が立っていた

「みるきー遅いで!
一人暮らしやからって
そんなにダラダラしてたらあかんで」

「はいはい時間ないんやろ?
いいから行くで」

「みるきー!」

「凪ちゃん!
大きくなったな」

「へへ」

「凪咲遊ぶのはあとで!
みるきー急いで!」

「はいはい」

私の名前は渡辺美優紀
18歳の売れっ子モデル
母とは仲が悪い
それで一人暮らしを始めた

姉は二人いる
さっきからうるさいのは
一番上の姉の菜々
結婚してすぐに出産
子供の名前は凪咲
私は凪ちゃんって呼んでる

二番目の姉は朱里
結婚はしてないけど
超一流のネイリスト
優しくておとなしい

「ほんまに遅いんやから」

まぁまぁお姉ちゃん
みるきーも忙しんやし」

「まだ子供なんやから
ちゃんと怒らなあかんね!」

「怒るとしわ増えんでー」

「増えんでー」

「もうみるきー!
凪咲に変な言葉
教えんとってや!」

「変やないもん
そうや凪ちゃん
今度遊園地行こな」

「やった!」

「面倒見だけはええんやから
凪咲すぐにはむりやで
みるきーは仕事あるんやから」

「そういえばみるきー
また写真集出すんやってね」

「また忙しくなるわ」

「無理したらあかんで
元気な人も簡単に死ぬんやから」

「そういえばおじさんに
全然会ってへんかったなぁ」

「少し離れてたもんね
なんか結婚したけど
事故で奥さんなくしはって
一人で息子さん育てたんやって」

「じゃおじさんの息子さん
どうするん?」

「親戚の人が預かるんやって」

「ママ人いっぱいおるんやろ?」

「今からお葬式なんかやら
静かにせんとあかんで」

「無理やったら
私が外に連れ出すで」

「抜け出したいだけやろ?」

「ばれた…」