「ここです」


「じゃここで大丈夫?」


「はい、ありがとうございました」


「なんかあったら海の家におるから」


「あの!」


「ん?」


「お名前は?」


「木下百男です」


あの人かっこええな


彩と美優紀は楓子に気づいて

テントに戻ってきた


「さっきの人は?」


「友達?」


「ううん」


彩と美優紀は向かい合って

首をかしげた


「って足怪我してるやん」


「ホンマや!手当せな!」


楓子は帰りまで様子が変だった


「楓子帰んで」


「うん」


「なんかボーっとしてへん?」


「楓子ちゃんもしかして

あの人のこと好きになったん?」


「あの人?」


「楓子をおんぶしてた人」


「名前とか聞いたん?」


「うん//


「楓子なんかキモいぞ」