「好きなんじゃないの?」

と言われて

「いや彼女いるからね」

なんて

彼女あり=恋愛対象外

みたいに言ってたけど、

さっき感じた

込み上げる切ない気持ちが

その言葉が単なる強がりだと

簡単に証明した。



彼女に対してめんどくさそうに
舌打ちをしてみせる天使。

「週末だって言うのに俺に自由はないのか」
と嘆いてみせる天使。

「あいつがいるから」
って言う天使。

もうすぐ彼女に会うというのに
わざとらしく楽しくなさそうにする。

彼女のとの絆の深さを表してるように
そう思えてならなくて、何も言えなくて
おどけることも、いい子ぶることも
全くできずにただへらへら笑った。


いつも一緒にのる終電車に
今日は彼女と乗り込んで

いつも私が降りる駅を通り越して
終点にふたりで降りるんだろう。


無力さに肩を落とした。


抵抗にならないのはわかってて
いつもと違う電車に乗った。



それまでに私は

何回後ろを振り返っただろう。