DJ-サウジから5%協調減産の提案ない=OPEC代表
サウジアラビアが協調して原油生産量を5%削減することをロシアに提案したという事実はないが、サウジを
はじめとするペルシャ湾岸諸国は国際原油市場の安定回復に向けて他の国々と協力する構えだ。ある湾岸国の石
油輸出国機構(OPEC)代表が28日明らかにした。
この代表はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「サウジからの提案は全くない。サウジがロ
シアに対し5%の減産を検討するよう要請したなどという事実はない」と述べ、「(一部で報じられている)そ
の提案はアルジェリアとベネズエラがかつて呼び掛けた案で、サウジアラビアからの提案ではない」と指摘した
。
しかし、サウジやその他の湾岸OPEC加盟国は市場安定化のために積極的に協力する意向だ。
同代表は「いかなる選択肢も排除せず全ての可能性を検討する、というサウジの姿勢は変わっていない」と語
った。
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Copyright (c) 2016 Dow Jones & Co. Inc. All Rights Reserved.
サウジアラビアが協調して原油生産量を5%削減することをロシアに提案したという事実はないが、サウジを
はじめとするペルシャ湾岸諸国は国際原油市場の安定回復に向けて他の国々と協力する構えだ。ある湾岸国の石
油輸出国機構(OPEC)代表が28日明らかにした。
この代表はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「サウジからの提案は全くない。サウジがロ
シアに対し5%の減産を検討するよう要請したなどという事実はない」と述べ、「(一部で報じられている)そ
の提案はアルジェリアとベネズエラがかつて呼び掛けた案で、サウジアラビアからの提案ではない」と指摘した
。
しかし、サウジやその他の湾岸OPEC加盟国は市場安定化のために積極的に協力する意向だ。
同代表は「いかなる選択肢も排除せず全ての可能性を検討する、というサウジの姿勢は変わっていない」と語
った。
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サウジ一転、減産容認も OPEC、非加盟国参加条件に日量100万バレル20151204Sankeibiz
4日にウィーンで総会を開く石油輸出国機構(OPEC)が減産に踏み切る可能性が出てきた。米国のシェールオイルに対抗するため原油価格引き下げを主導してきたOPECの盟主サウジアラビアが、条件付きで減産を容認する方針に転じたとみられている。減産が実現し、世界的な原油安の流れが反転するか注目される。
◆イラン・イラクが鍵
調査会社エナジー・インテリジェンス(EI)は3日、OPEC代表からの情報として、サウジがOPECの他の加盟国に対し、最終的に日量100万バレルの減産を行うよう提案する見通しだと報じた。
これを受け、同日の原油相場は反発。ロンドンの北海ブレント原油先物は一時、2.1%上昇した。前日にはOPEC内の意見の不一致が報じられ、1バレル=42.49ドルと、6年ぶりの安値に落ち込んでいた。
ソシエテ・ジェネラルのグローバル・アセット・アロケーション・ストラテジー責任者、アライン・ボコブザ氏はブルームバーグとのインタビューに応じ、サウジの方針転換を受け、ブレント原油価格は2016年末までに1バレル=60ドルに回復する可能性があるとの見方を示した。
サウジの提案はロシアやメキシコ、オマーン、カザフスタンなどの非OPEC産油国が減産に参加することを条件にしている。鍵を握るのが、加盟国イランの動向だ。イランは核開発をめぐる西側の制裁解除を受け来年、生産枠にとらわれず増産することを計画している。このほか、イラクが生産量を現在の水準に制限するか減産に同意することも条件に含まれる。
市場関係者の間には「サウジと対立関係にあるイランが減産に参加する公算は小さい」(NHインベストメント・アンド・セキュリティーズのコモディティ・アナリスト、カン・ヨージン氏)との慎重な見方もある。CMCマーケッツのチーフ・アナリスト、リック・スプーナー氏は「合意が順守されるとの合理的な確信を市場が得られるにはほど遠い」としながらも「原油市場最大のオペレーターであるサウジからの提案だということに重要な意味がある」と述べた。
イランのシャナ通信は2日、同国エネルギー省高官の話として、OPEC加盟国の大半は減産に賛成しているのに対し、サウジやペルシャ湾岸諸国は反対していると報じている。サウジはOPEC総会2日前に米国とアジア向けの原油販売価格引き下げを発表していたことからなお市場シェア争奪戦が続いているとみられていた。
◆価格反転には時間
専門家の間には、OPECが減産に踏み切っても、原油価格がただちに反転するわけではないとの見方が強い。原油市場は過剰供給状態にあり、積み上がった原油在庫が解消されるには相当な時間がかかるためだ。
米国産原油在庫量は11月27日時点で4億8940万バレルに上昇し、11月としては1930年以来の高水準に達した。また、ドル高は幅広いコモディティー(市況商品)の値崩れを引き起こしている。
世界の大手独立系石油取引会社も原油供給が来年も需要を上回り、油価は17年まで上昇しない可能性があるとみている。そうなれば、OPECと石油業界全体は1年以内に価格が回復した08年の金融危機後の原油価格低迷期よりも長期にわたる価格低迷を覚悟しなければならない。
独立系石油取引会社最大手ビトル・グループの幹部、クリス・ベーク氏は「在庫の積み上がりが引き続き市場を圧迫し、価格が17年にかけて現行レンジを超えてくる可能性は低い」と指摘する。指標となる北海ブレント原油は過去半年間、1バレル=43~65ドルで推移している。
昨年11月、サウジが主導するOPEC総会で、コスト高のシェール石油生産会社に対抗し生産量を維持し市場シェアを死守する決断を下して以来、原油価格は約40%下落している。(ブルームバーグ Javier Blas)
4日にウィーンで総会を開く石油輸出国機構(OPEC)が減産に踏み切る可能性が出てきた。米国のシェールオイルに対抗するため原油価格引き下げを主導してきたOPECの盟主サウジアラビアが、条件付きで減産を容認する方針に転じたとみられている。減産が実現し、世界的な原油安の流れが反転するか注目される。
◆イラン・イラクが鍵
調査会社エナジー・インテリジェンス(EI)は3日、OPEC代表からの情報として、サウジがOPECの他の加盟国に対し、最終的に日量100万バレルの減産を行うよう提案する見通しだと報じた。
これを受け、同日の原油相場は反発。ロンドンの北海ブレント原油先物は一時、2.1%上昇した。前日にはOPEC内の意見の不一致が報じられ、1バレル=42.49ドルと、6年ぶりの安値に落ち込んでいた。
ソシエテ・ジェネラルのグローバル・アセット・アロケーション・ストラテジー責任者、アライン・ボコブザ氏はブルームバーグとのインタビューに応じ、サウジの方針転換を受け、ブレント原油価格は2016年末までに1バレル=60ドルに回復する可能性があるとの見方を示した。
サウジの提案はロシアやメキシコ、オマーン、カザフスタンなどの非OPEC産油国が減産に参加することを条件にしている。鍵を握るのが、加盟国イランの動向だ。イランは核開発をめぐる西側の制裁解除を受け来年、生産枠にとらわれず増産することを計画している。このほか、イラクが生産量を現在の水準に制限するか減産に同意することも条件に含まれる。
市場関係者の間には「サウジと対立関係にあるイランが減産に参加する公算は小さい」(NHインベストメント・アンド・セキュリティーズのコモディティ・アナリスト、カン・ヨージン氏)との慎重な見方もある。CMCマーケッツのチーフ・アナリスト、リック・スプーナー氏は「合意が順守されるとの合理的な確信を市場が得られるにはほど遠い」としながらも「原油市場最大のオペレーターであるサウジからの提案だということに重要な意味がある」と述べた。
イランのシャナ通信は2日、同国エネルギー省高官の話として、OPEC加盟国の大半は減産に賛成しているのに対し、サウジやペルシャ湾岸諸国は反対していると報じている。サウジはOPEC総会2日前に米国とアジア向けの原油販売価格引き下げを発表していたことからなお市場シェア争奪戦が続いているとみられていた。
◆価格反転には時間
専門家の間には、OPECが減産に踏み切っても、原油価格がただちに反転するわけではないとの見方が強い。原油市場は過剰供給状態にあり、積み上がった原油在庫が解消されるには相当な時間がかかるためだ。
米国産原油在庫量は11月27日時点で4億8940万バレルに上昇し、11月としては1930年以来の高水準に達した。また、ドル高は幅広いコモディティー(市況商品)の値崩れを引き起こしている。
世界の大手独立系石油取引会社も原油供給が来年も需要を上回り、油価は17年まで上昇しない可能性があるとみている。そうなれば、OPECと石油業界全体は1年以内に価格が回復した08年の金融危機後の原油価格低迷期よりも長期にわたる価格低迷を覚悟しなければならない。
独立系石油取引会社最大手ビトル・グループの幹部、クリス・ベーク氏は「在庫の積み上がりが引き続き市場を圧迫し、価格が17年にかけて現行レンジを超えてくる可能性は低い」と指摘する。指標となる北海ブレント原油は過去半年間、1バレル=43~65ドルで推移している。
昨年11月、サウジが主導するOPEC総会で、コスト高のシェール石油生産会社に対抗し生産量を維持し市場シェアを死守する決断を下して以来、原油価格は約40%下落している。(ブルームバーグ Javier Blas)