NY金・銀市況=金、銀ともに大幅続伸、米年内利上げ観測にもかかわらず


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            始 値   高 値   安 値   帳入値   前日比
   金     (16/ 2)  1062.0     1088.3      1057.2      1084.1     + 22.9
         (16/ 4)  1063.7     1088.8      1058.4      1084.8     + 22.9
   銀     (16/ 3)  1410.0     1461.0      1402.0      1452.8     + 45.1
         (16/ 5)  1410.0     1459.5      1410.0      1456.1     + 45.3

           推定出来高  前日出来高  前日取組高    (前々日比)
  金          203,086       183,571       394,847        (-  3,802)
  銀           59,290        49,468       164,446        (-    419)
 注:4本値および出来高・取組高は、相場表と異なる場合があります。当該取引所か
ら電子取引を含む相場データの訂正が頻出しています。市況送信の際は細心の注意を払
っていますが、最新データは相場表でご確認ください。
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・NY為替     円       ユーロ      ・NYダウ          17,847.43  + 369.76
      3日 122.47/48   1.0948/50    ・ナスダック          5,142.27  + 104.74
      4日 123.17/18   1.0873/74    ・10年米国債利回り      2.27  -   0.05
・NY原油 (16/ 1)  39.97 - 1.11    ・SPDR保有金残高    638.80  -   0.22
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 ニューヨーク金、銀ともに大幅続伸。終値の前日比は、金が22.6~22.9ドル
高、中心限月の2月限が22.9ドル高、銀が45.0~45.7セント高、中心限月
の3月限が45.1セント高。
 金2月限は、ドル高で下落したあと、米雇用が予想を上回って利上げ観測が強まった
が、下げ渋ったことから売り方の買い戻しが殺到し、約3週間ぶりの高値に急伸した。
 銀3月限は、ドル高やアジア株安で下落したが、14ドルを維持したあとは、米雇用
増加による利上げ観測でも下げ渋ったことや金の急伸で約4週間ぶりの高値を付けた。
 ニューヨーク金2月限は、時間外取引を1067.2~1057.2ドルのレンジで
推移し、前日比5.5ドル高の1066.7ドルとなった。2月限は、高寄りしたが、
前日高値(1064.5ドル:立会終了後の電子取引)を試す勢いはなく、ドル反発が
圧迫して値を消した。しかしながら、米雇用統計を控えることから売りも続かず、前日
終値(1061.2ドル)をはさんでもみ合ったあとは、買いが仕掛けられて前日高値
を突破した。

 立会時間は、時間外取引の高値を上回ったあと、注目の米非農業部門雇用者数が予想
を上回る21.1万人増と発表され、ドルが反発したことから1059.2ドルまで反
落したが、意外にもドルが反落に転じたことから切り返した。米雇用統計は予想を上回
り、前月分は上方修正され、米利上げ観測にダメを押したことや、原油相場は急落、株
価は反発に転じるなど、外部市場が弱気に転じたものの、金相場は上値追いとなった。
昨日、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和に対する失望でドル安/ユーロ高が急伸し、
金の売り方を神経質にさせたところに、米雇用が予想を上回って利上げ観測が強まった
にもかかわらず下げなかったことから、微妙な雰囲気を嗅ぎ取った売り方が買い戻しを
急いだ。その後ドルは反発に転じたが、買い戻しの流れは止まらなかった。米利上げは
緩やかなものになるとの見方も手じまいを促した要因。10日移動平均(1066.4
ドル)を上回ったこともテクニカル買いを誘い、11月16日以来の高値となる
1088.3ドル(27.1ドル高:2.6%)まで急伸した。

 引け後に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した12月1日現在の建玉明細に
よると、大口投機家の金の先物建玉は9750枚の買い越しで、前週の1万6302枚
の買い越しから縮小した。銀の先物建玉は2万1890枚の買い越しで、前週の1万
9393枚の買い越しから拡大した。
 ニューヨーク銀3月限は、時間外取引を1430.0~1402.0セントのレンジ
で推移、前日比20.3セント高の1428.0セントとなった。3月限は、高寄りし
たあと、ドル高やアジアの株価下落、金の反落で値を消したが、14ドル台を維持した
ことから反発に転じ、逆に前日高値(1414.5セント:立会終了後の電子取引)を
上回った。原油上昇や米株価指数先物の反発、中国及びインドの輸入が高水準なことも
強材料。金が前日高値を突破したため、銀も上昇が加速した。

 立会時間は、時間外取引の高値を上回ったあと、米雇用が予想を上回って利上げ観測
が強まったため1411.0セントまで後退したが、プラスを維持して上昇に転じた。
原油が急反落に転じたものの、金が急伸したことや米国株の急反発で安値拾いの買いや
買い戻しが殺到し、11月9日以来の高値となる1461.0セント(53.3セント
高:3.8%)まで急騰した。中国の輸入増加も強材料。
 10月の中国の銀輸入は前年比36%増加の282トン、累計は2678トンで、昨
年一年間の輸入量に接近した。宝飾向けや、太陽電池パネルなどの工業用向けの需要が
好調だった。中国と同様、世界銀需要の10%を占めるインドも、昨年史上最高を更新
したあと、今年も好調を維持している。中国、インドは再生可能エネルギーへの関心が
急速に高まっており、この分野の銀の需要は有望だ。また、銅や鉛の減産は、副産物の
銀の生産も制限する効果を持つ。
 12月3日のコメックス指定倉庫在庫は、金が前日比変わらずの644万6930オ
ンス、銀が3万1748オンス減少の1億5791万5205オンス。