外為12時 円、大幅反落し98円台後半 輸出企業・海外勢の買いが支え

2013/05/07 12:10 日経速報ニュース 979文字
 7日午前の東京外国為替市場で、円相場は6営業日ぶりに大幅反落。12時時点は前営業日である2日17時時点に比べ1円67銭の円安・ドル高の1ドル=98円90~93銭近辺で推移している。10時すぎに円買い・ドル売りの流れが勢いづき、10時20分すぎに一時98円82銭近辺まで下げ渋った。
 大型連休明けの早朝取引で円は水準を大幅に切り下げて取引を開始した。3日発表された4月の米雇用統計が市場予想を上回り、米景気に対する悲観的な見方がやや後退。日本の連休中に円売り・ドル買いが優勢になった流れを引き継いだ。7時すぎに一時99円44銭近辺と、4月25日以来の円安・ドル高水準となった前日の安値(99円45銭)に接近した。
 その後は国内輸出企業の円買い・ドル売りや海外勢の利益確定買いが優勢になり、円は徐々に下げ幅を縮めた。市場では「オーストラリア準備銀行(中央銀行)が利下げを見送れば、豪ドル買い・円売りにつれて円の対ドル相場も再び下値を探る可能性がある」(国内銀行)との声が聞かれた。豪中銀は13時30分に理事会の結果を発表する。
 麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で、日銀が新たな金融緩和策を実施してから1カ月がたったことに関し「(為替や株価への影響は)数カ月してだんだん傾向が出てくる」などと発言。北朝鮮が長距離弾道ミサイル「ムスダン」を発射場から撤去したとの一部報道を受けて菅義偉官房長官は「いかなる事態においても国民の声明と安全を守るべく万全の大勢を取っている」などと述べた。どちらも円相場の反応は限られた。
 9~12時の円の安値は99円38銭近辺で、値幅は44銭程度だった。
 円は対ユーロでも大幅に反落。12時時点は同1円38銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=129円35~38銭近辺で推移している。対ドルで円が下げ幅を縮めると、つれて対ユーロでも10時20分すぎに一時129円24銭近辺に下げ渋った。
 ユーロは対ドルで続落。12時時点は同0.0083ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.3078~81ドル近辺で推移している。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加利下げに言及し、ユーロ売り・ドル買いが進んだ前日の海外市場の流れを引き継いだ。その後は新規の取引材料に乏しく、安値圏で水準を大きく変えずにもみ合った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕