NY金、1500ドル前後で荒い動きか・東海林氏 プラチナと価格差拡大も

2013/04/30 10:42 日経速報ニュース 598文字
 東海林勇行・オーバルネクストシニアアナリスト ニューヨーク市場の金先物は向こう1カ月ほど、落ち着きどころを探る展開が続くだろう。心理的な節目の1トロイオンス1500ドル前後で、荒い値動きを継続する可能性が高いのではないか。強弱材料が入り交じるなか、今月半ばの急落以降は価格変動が大きくなっている。
 欧米中銀が推進する緩和的な金融政策が金の買いを支えるだろう。5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表は注目だ。金融政策に変更はないとみられるが、量的金融緩和が当面続くとの見方がファンドの買い戻しを誘う口実となるだろう。
 一方、金の上場投資信託(ETF)の運用残高は減り続けている。このまま資金流出に歯止めがかからなければ、金投資への心理が悪化し、再び1400ドルちょうど近辺まで下げる場面も想定される。
 同市場のプラチナ(白金)は、足元の1トロイオンス1500ドル近辺からじり高で推移するとみている。プラチナは金より鉱山の生産コストが高く、直近の1400ドル台では採算割れが意識されやすい水準だった。白金は産業向け需要が半数以上を占め、欧米株式相場との連動性が高い。株価が堅調な値動きを続ければ、1550ドル程度まで上げる余地があるとみる。南アフリカ共和国でくすぶる供給不安も潜在的な買い圧力であり、金との価格差は拡大傾向をたどるだろう。〔日経QUICKニュース(NQN)〕