金、「代替通貨」「安全資産」の本質に変化なし・江守氏 

2013/04/23 11:10 日経速報ニュース 532文字
 江守哲・アストマックス投資顧問チーフ・ファンドマネージャー ニューヨーク金先物相場は22日、中心限月の6月物は1トロイオンス1421.2ドルで終え、終値で節目の1400ドル台を回復した。前週前半にかけて急落したが、16日に付けた2年3カ月ぶりの安値(1321.5ドル)から1週間で100ドル上昇したことになる。金鉱山の採掘コストを考えると1300ドル以下には売り込めず、「岩盤」のような水準だ。16日の安値が当面の下値のメドだろう。値下がりを待っていた中国やインドといったアジアの個人投資家の購買意欲も100ドル程度の戻りに左右されるものではない。
 そもそも相場の急落は持ち高調整が引き金となった動きで、決め手となる売り材料があったわけではない。キプロスが金を売却するとの噂も、金の需給に実際に影響を及ぼしたわけではない。
 金先物相場は急落を経験したが、これまで続いてきた金の本質は何も変わっていない。金を「代替通貨」とみる“幻想”が、まだ剥がれるほどではなく、「安全資産」との見方もまだ残っている。今後も長期的に上昇トレンドを続けると見ており、足元の1400ドル前後の水準は最後になる可能性もあると考えている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕