自民、単独過半数の勢い 衆院選序盤情勢調査

2012/12/05 23:00  日経速報ニュース    993文字  
 日本経済新聞社は16日に投票日を迎える第46回衆院選の序盤情勢を探るための全国世論調査を実施した。全480議席のうち自民党が単独過半数を確保する勢いで、公明党との政権復帰の可能性が高まっている。民主党は激減し、公示前勢力(230議席)の半分以下になりかねない。日本維新の会が比例代表で勢いをみせるが、第三極の各党は全国での浸透が課題になっている。
 全国の有権者約16万人を対象に約10万人から有効回答を得た。取材も加味して情勢を読み取ったが、小選挙区、比例代表のいずれも、まだ投票先を決めていない有権者が多く残っており、投開票日に向けて流動的な要素もある。
 自民は小選挙区で170超の議席、比例代表で60議席程度を固めつつある。地盤としてきた地方だけでなく、前回の2009年衆院選で軒並み敗れた首都圏など都市部でも復調が鮮明になっている。
 有力圏を含めれば小選挙区と比例代表を合わせ総定数の半数を大幅に超える勢い。国会運営を安定的に進める目安となる安定多数(252議席)や絶対安定多数(269議席)の獲得も視野に入る。
 自民党が連立相手に見込む公明も公示前勢力(21議席)の確保にメドを付けつつある。小選挙区は維新と選挙協力する近畿などで議席獲得が有力になっている。
 民主は振るわず大幅に議席を減らす見通し。小選挙区で有力圏に入っているのは30議席強と劣勢だ。さらに60選挙区程度で議席を上積みする可能性はあるが、自民などと激しく競っている。
 比例で獲得を見込める30議席以上を含めても、全体の議席は公示前から半分以下となる見通しが強まっている。308議席と圧勝した09年衆院選の原動力となった無党派層が離れ、厳しい選挙戦を強いられている。
 第三極は維新が比例で民主に迫る30議席以上を獲得する見通し。小選挙区でも地盤の大阪を中心に5議席以上の確保にメドを付け、公示前勢力(11議席)から大幅に議席を伸ばす勢い。ただ全国的な支持の広がりを欠いている。
 このほかの第三極勢力では、日本未来の党が小選挙区で厳しい戦い。みんなの党も幹部の地盤の栃木や神奈川を除けば、小選挙区、比例ともに伸び悩む。衆院選後の政権の枠組みをめぐり新興政党が主導権を握るには、全国規模に支持を広げられるかがカギとなる。
 調査は日経リサーチが4、5の2日間、乱数番号(RDD)方式により電話で実施。回答率は64%。