株、先物買いに一巡感・伊藤氏 調整幅は円相場がカギ

2012/11/28 15:56  日経速報ニュース    504文字  
 伊藤嘉洋・岡三オンライン証券チーフストラテジスト 28日の日経平均株価は100円超下落した。これまでの急ピッチの上昇で25日移動平均との乖離(かいり)率が5%に接近するなど、短期的な高値警戒感が出ており、円安一服を手掛かりにした利益確定の売りが出た。これまで相場上昇をけん引していた外国人投資家の先物買いには、一巡感も出ているようだ。あす以降は米国で大型減税の失効と歳出削減が同時に起こる「財政の崖」の解決に向けた協議の進展や、円相場の値動きがカギになるだろう。
 あくまで自律調整の範囲内とみている。ただ、円相場の値動きなどによっては日足チャートでみて11月21~22日にかけて空けた「窓」を埋めて下落(21日高値の9248円以下への下落)し、調整色を一段と強める懸念がある。その場合は11月15~19日にかけて空けた「窓」埋め(15日高値の8829円以下への下落)も視野に入り、上値の重さが増す可能性が高い。経済協力開発機構(OECD)は27日、2013年の日本経済の成長率見通しを引き下げている。景気先行きの不透明感が、改めて重荷になることも考えられ、注意が必要だ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕