一体改革法案、午後に衆院通過 民主・小沢氏ら大量造反へ |
2012/06/26 11:05 日経速報ニュース 976文字 |
消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案は26日午後の衆院本会議で採決される。民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決する見通しだ。消費増税関連法案の採決では、民主党内から小沢一郎元代表を支持するグループを中心に棄権・欠席を含めて60人超が造反する構えをみせた。元代表は離党や新党結成を視野に入れており、消費税政局は民主党分裂をめぐりヤマ場を迎えた。
本会議での採決に先立ち、一体改革関連の8法案は午前の衆院特別委員会で締めくくり総括質疑を実施。採決では、民自公3党などの賛成多数で可決され、午後の衆院本会議に緊急上程される。 首相は特別委で「一体改革は決断と実行の政治の象徴的なテーマだ。大きな山を前にひるんでいては無責任だ」と表明。「みんなでこの山を乗り切っていきたい」と法案成立に全力をあげる考えを強調した。同時に「最後の最後まで一致結束した対応をしてもらえると信じている」と党内の増税反対派議員に法案への賛成を呼びかけた。民主党の松本大輔氏、自民党の逢沢一郎氏への答弁。 首相を支持するグループは同日午前、都内のホテルで対応を協議。首相周辺も採決直前まで造反者の数を抑えるための説得作業を続けた。 増税法案への反対を明言している小沢元代表は同日昼、国会内に自らを支持する議員を集めて結束を確認する。同日採決する一体改革関連の8法案のうち増税法案以外の年金制度改革関連法案などへの賛否も協議する。 元代表は本会議での採決後に開くグループの会合で、離党や新党構想など今後の対応について見解を表明する見通しだ。グループ幹部の東祥三氏は同日午前のTBS番組で、離党について「採決の結果を見て、それぞれが判断する」と語った。 民主党内で造反が60人規模に上っても、自公両党が賛成するため一体改革関連法案の衆院通過は揺るがない。ただ、反対後に民主党から離党する衆院議員が54人以上に達すれば与党が半数を割る「少数与党」に転落し、野党が提出する内閣不信任決議案を与党だけで否決できないなど首相は厳しい政権運営を迫られる。輿石東幹事長ら党執行部は党の分裂回避に向けて造反議員への処分の先送りを探っている。 玄葉光一郎外相は同日午前の閣議後の記者会見で、処分のあり方について「当然一定のけじめは必要だ。輿石幹事長を信頼している」と先送り論をけん制した。 |