株一時200円高、一段高はイメージしにくく・柚木氏 ギリシャ再選挙控え様子見

2012/06/11 10:59  日経速報ニュース    532文字  
 柚木純・野村証券エクイティ・リサーチ部ストラテジスト 11日の東京株式市場で日経平均株価の上げ幅は一時200円を超えた。週末にユーロ圏財務相がスペインの金融支援を表明したことで欧州債務問題に対する悲観論がいくぶん後退した。通貨先物市場ではドルに対するユーロ売りの持ち高が歴史的な高水準に積み上がるなど、欧州問題に対する過度な不安が市場にまん延していた反動で、株式の買い戻しが入りやすかった面もある。ユーロに対しての円高修正も進んでおり、日本株には支援材料が相次いでいる。
 ただ、このまま株価が一方向に上昇するシナリオは描きにくい。今週の日経平均は8400~8800円のレンジでの取引が続くだろう。足元の株価の上昇は海外の短期筋が中心で、長期投資家のような腰の入った資金が流入している気配はない。17日にギリシャの再選挙を控え、株式をどんどん買い上がっていく雰囲気にはなりにくいだろう。財政健全化など欧州の債務問題の根本的な解決には時間がかかるというのが現状だ。
 日銀は14~15日に金融政策決定会合を開く。政策を据え置くとの見方が多いが、会合後会見で白川方明総裁から追加の金融緩和を示唆する発言が飛び出せば、株式相場の追い風となりそう。〔日経QUICKニュース〕