株、欧州不安や景気懸念で8500円割れも・大谷氏 目先も下値模索 |
2012/05/31 08:27 日経速報ニュース 546文字 |
大谷正之・証券ジャパン調査情報部長 31日の日経平均株価は心理的節目の8500円と、直近の取引時間中安値(8496円、24日)を下回る場面がありそうだ。スペインの金融不安を背景に前日の欧米株式相場が軒並み下落したことに加え、外国為替市場で円相場が対ドル、対ユーロで一段高となったことが日本株への売りに拍車をかけそうだ。欧州債務不安によるユーロ安の傾向自体は変わらないが、対ドルでも一時1ドル=78円台まで円高が進んだことは投資心理を一段と冷やすだろう。
もっとも、政府・日銀による為替介入に対する警戒感も次第に強まりそうで、対ドルでの円高余地は限定的だろう。外部環境が落ち着けば、きょうの日経平均は終値で8500円台を維持する可能性もある。もっとも欧州だけでなく、足元では米国など景気の先行き不透明感も強く意識され始めてきた。あす6月1日に発表される5月の米雇用統計の結果次第で、世界的な株安傾向が一段と強まることも考えられる。東証1部の売買代金は連日で1兆円割れと低調で、全面的な見切り売りの様相となる「セリング・クライマックス」の雰囲気はまだ乏しい。目先は、年初来安値(8378円、1月16日)や昨年の安値(8160円、11月25日)を探る展開も想定される。〔日経QUICKニュース〕 |