今日の株式、もみ合いか 米景気への期待感がやや後退 円強含みも重荷 |
2012/01/27 07:53 日経速報ニュース 1103文字 |
27日の東京株式市場で日経平均株価はもみ合いか。26日発表の米経済指標が市場の期待値に届かず、これまで相場を支えてきた米景気の先行きへの楽観的な見方がやや修正されそうだ。対ドルで円相場が強含み気味なことも輸出関連株の重荷になる。前日発表したNECなどの企業決算がさえない内容だったことも気がかり。半面、26日の米国株の下落幅は小さく、欧州株は総じて堅調だった。投資家のリスク資産投資を積み増す姿勢に大きな変化は見られず、海外投資家の主力株への見直し買いが下値を支えるだろう。日経平均は8800~8900円の動きか。
26日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は小幅反落し、前日比22ドル安の1万2734ドルで終えた。同日発表の昨年12月の米一戸建て住宅販売件数は市場予想に反して4カ月ぶりに減少し、米景気への慎重な見方が広がった。半面、米キャタピラーの10~12月期決算が大幅な増収増益となり、相場全体を下支えした。ダウ平均は取引時間中に一時、昨年4月に付けたリーマン・ショック後の高値を更新し、達成感から目先の利益確定売りが広がった。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落した。 26日のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で日経平均先物3月物の清算値(円建て)は8660円で、26日の大証先物の終値を10円上回った。朝方はこの水準を意識した値動きになりそうだ。日経平均は25日移動平均線など日足チャートが上向いており、「下値では押し目買いが入りやすい」(国内証券の情報担当者)という。 前日は国内主要企業の決算発表が相次いだ。NECの4~12月期決算は大幅な最終赤字で、今期見通しも下方修正した。グループ会社を含め1万人規模のリストラ策を打ち出したが、収益基盤の弱体化は鮮明で、市場の評価は厳しい。日立建機は今期営業利益予想を下方修正した。キャタピラーの好決算という追い風が吹くなか、建機株の値動きに注目が集まる。エルピーダは今期営業損益が1000億円程度の赤字になりそうだと伝わった。 大証では、任天堂が注目される。今期3度目となる12年3月期業績の下方修正を発表。最終赤字は650億円まで膨らむ見通しだ。株価が1万円台を維持できるかどうかが焦点だ。 きょうは、寄り付き前に総務省が2011年12月と11年通年の消費者物価指数(CPI)を発表する。新日鉄、日電硝、アドテスト、NTTドコモ、東北電、JR西日本が4~12月期決算を発表する。 海外では、米国の10~12月期国内総生産(GDP)、1月の米消費者態度指数(ミシガン大調べ)の発表がある。〔日経QUICKニュース 湯浅兼輔〕 |