新たなバイトが始まる。
喫茶店なので、注文を聞いたり、運んだり、厨房で料理を作ったり、ひと通り喫茶店メニューは料理出来るようになった。
喫茶店は親子で賄っており、マスターは身長が185㌢はあり、体格も力士並。ママは痩せ型で子供は居てない。
オーナーは気の短いお爺さんで、たまに笑顔で話し掛けてくる。
バイトは真面目にこなし、そこをかわれたのかプライベートでは毎週のようにゴルフに連れて行かれ、適当なゴルフをしていた。打ち放しも行ったことが無いのに。
しかし喫茶店のバイトだけでは、お金にならなく止むなく掛け持ちでバイトすることにした。
喫茶店の横に電柱があり、縦看板に”ラウンジ・オープン”とあり、同時アルバイト募集とあったので、面接に行った。
場所は喫茶店より徒歩1分のところで、レジャービルの四階の店のドアを開けると、一見25歳くらいの女の人が出てきた。
チーママらしい。
面接をし、またまた当日からバイトした。
最初は厨房で皿洗いかと思いきや、一品を作ったり座席にグラス運んだり、バイトの女の子からチーフと呼ばれた。
初めて、そうなんやと思った。
チーママは19歳で、オーナーは新地でクラブのママをしていて、娘であるチーママに店を任していた。
第一印象は25歳くらいと思ったが、何と19歳。そんな歳で店を切り盛りするなんて、大丈夫かなと思った。
また他の女の子もチーママの同級生らしく、皆さん19歳で、たまに新地からお姉様が応援に来ていた。
とにかく忙しく、19~2時まで働いた。時給は確か900円だったかな。
新たにバイトが始まった。このバイトだけは、堪らなく色んな事が発生し、とても濃い日々を過ごした。
九舟のママは、その店の隣にブディック、少し離れた場所にラウンジを経営し、まさにバブル景気だった。
しかし一年も経つと、それぞれの店は徐々に傾き初め、九舟の鮮魚仕入れ支払いも滞るようになった。
結局、全店たたみ私もバイトを失った。
しかし板前長のSが、たまに通っていたお寿司屋を紹介してくれたが、流石に板前世界も飽きたので行くことは無かった。
今度は喫茶店でバイトすることにしたが、時給500円、時間帯も16時から20時と短時間でお金にはならなかったが、取り敢えずバイトに行くことにした。
私に良くして頂いた板前長のSは、流れ流れて尼崎の割烹料理屋に行ってしまった。
九舟の板前さんの住まいは、お店の寮としてマンションに二人住まい。
とある日、事件が発生。
マンションの部屋の隣に住む女の人の下着が盗まれたと。
警察も来て、隣に住む板前が疑われ、事情聴衆された。若い板前さんが。
ちなみに若い板前をY、板前長をS。
Yは神に誓って無罪であると主張していたが、Sは「信じてやりたいが、あいつならやるかも・・」だって。
確かに疑わしい。ベランダから隣に入り込むのは、身軽な人間やったら可能で、Yは結構小柄で身軽。まして女好きの変人。
結局、事情聴衆のみで終わった。証拠が無いので。
またYは、後輩にヤクザがいるらしく、モデルを紹介してもらい一晩で五回エッチをして、モデルは三回目には嫌がっていたと、自分の精力を自慢していた。
いつの日かYは、年上のバツイチの子持ちと駆け落ちして店から居なくなった。
一方、Sはバイトに来ていたバツイチ子持ちのオバサン(当時、35歳くらいやったかな)と良い仲になったらしく、絶対言うなよと言われ内容は、『パンツの中に手を入れたら、ベチョベチョやった』と。こんな話をバイトの合間に話してくれた。毎日・・・。
またSは、店で焼酎を合間に飲んでいて、帰る頃には、ほろ酔い。
店が終わり飯に誘われ、私のバイクに乗って行くことになったが、ヘルメットが私の分しかないのに、ノーヘルでハンドルを握り、私は後部席に。
エンジンをかけ、交差点に差し掛かった時、おじさんに停められた。
知り合いかなと思ったが、何と私服警官で、他の事件でたまたま交差点にいたらしい。
すぐに近くの交番の警官がやって来て、二人して交番で事情聴衆。
Sは顔が赤かった為、飲酒検査をされ、基準値オーバー。またヘルメットも被っていなかったので、罰金・減点となり免停となった。
Sは交番で私をかばい、「この子は関係ないから、勘弁してやって欲しい。」と何度も頭を下げていた。当時の道交法では、飲酒運転幇助の法律はなく、お咎めは無かった。
そんなこんなで、バイトしながら社会勉強をした。