構想はあった。しかしちゃんと書けるか本当に不安だ・・・。

 書きたいとは思ってはいるものの、非常に難しい内容なので頓挫するかもしれない。



 さて。


 他のカードゲームの例に漏れず、この「ABCD」も、初めの3ターンほどが非常に重要なゲームである。

 MP・属性基盤の確保、ビートダウンであればクロックの形成、コントロールであればドローや防御ラインの構築、ドローストック使用の判断等々・・・。

 これらは、デッキ構築の段階である程度決まっているプロセスであり、テストプレイを十分に行っているデッキであれば手筋にそうブレは出ない。


 しかし、もうひとつ、初期のターンで行うべき重要な行動がある。それは、相手の動きからデッキを読み取り、対策や展開の仕方を考えることだ。


 特にコントロールデッキ、攻撃チャンネルをいくつか用意しているビートダウン、軽量な除去やドローを含むデッキ、全体除去を持つデッキ、三属性以上のデッキなどは非常に早い段階でこの判断を迫られる。序盤は極力MPを余すことなく使うべきであり、その選択肢を多く持っているデッキは、限られたMPを使って最善の手を打つために相手の手を読むことが必要不可欠となる。



 そういうわけで、この連載では初期の手筋、特に1・2ターン目の相手の動きから考えられるデッキパターンと、注意すべきカードや応手を具体的なケース毎に考察していく。



 今回は、初回お試し版ということで、《炎のクリスタル》。主に炎単のデッキを検証する。




■連載内での表記



・初手のクリスタルは非常に重要な要素なので、大見出しはクリスタルごとに分類。


・[1]、[2]といった数字は、ターン数を表す。


・色つきの■は、そのターンに置いたクリスタルの属性。


 炎 水 風 光 ■闇 無色


 多属性の場合、特に記述がなければ鉱または損害水晶など、そのターンにMPと属性を行使できるものを指す。


(記述例)
[1] ■ 《低速取得》
[2] ■ 《手札抹殺》


 この場合、1ターン目に《闇水鉱》または《黒青損害水晶》を配置し《低速取得》を詠唱。続く2ターン目には《闇のクリスタル》を配置し《手札抹殺》を詠唱してきていることを表す。






《炎のクリスタル》


 多属性デッキは鉱と損害水晶を併用できる。炎に限らず何らかの事情がなければ、単属性クリスタルを初手で置くデッキは単属性だと思ってよい。


 炎単はLSBか、MPを縛るタイプのコントロールが主流。100fで撃てる全体除去やリセットを持っているので、ビートダウンやカウンターデッキはターン終了時まで気が抜けない。




▼2ターン目中盤まで何もしない


[1] 
[2] 



 これはLSBの可能性が極めて高い。そのターンの終了間際に《時限爆弾》、もしくは場の整理に2ターン越しの《灼熱波動》を撃ってくることが多い。
 《時限爆弾》の火力を考えると早期に決着をつけたい所だが、呪詛暴走による一掃が怖い。相手が動き出さないからといってクリーチャーを並べすぎると、痛い目に遭うこともある。






▼《無色のクリスタル》始動


[1] 
[2] 



 5MPのクリーチャーの内、《溶岩巨人》は5(炎炎)。5(炎)で出せる《フレイムキャット》は、ビートダウンなら通常3~4MPのクリーチャーと組み合わせるため、《無色のクリスタル》から出てきた場合は何らかのコントロールの可能性がある。


 最も可能性が高いのは、クリスタル破壊+大型クリーチャーの組み合わせ。この2ターン目に《結晶破壊》が来る可能性も高い。


 クリスタルがある内に展開をしておきたいところだが、大概《灼熱波動》がセットになっている。HP2以下のクリーチャーを並べすぎるのは禁物。逆に言えばHP3以上は各個撃破となるため、並べてしまっても大丈夫。


 コントロールで相対する場合はじっと我慢。ドローストックを使うタイミングは非常に重要となる。時にはディスカードも厭わない覚悟で。






▼初手クリーチャー


[1]  《燃えさかる子猫》 or 《怒り狂う上官》


 まずビートダウンと見て間違いない。


 《燃えさかる子猫》の場合、パターンは大きくふたつ。まず一つ目は単純にスライ。


 次に、炎風の猫デッキで、手持ちクリスタルの関係と、次からダメージを取りたいのでそうした場合。いずれにせよ、大体次のターンには流れが掴めるだろう。猫デッキだった場合は《猫力》の可能性に細心の注意を払いたい。


 《怒り狂う上官》の場合はスライ一択。しかも、現在の手札には《突撃奨励》と《猪の戦闘バギー》が揃っていないであろうことまで予測できる。
 警戒するべきは《火炎放射》。クリスタル3枚から猛攻が始まるので、何か全体除去があるなら早め早めに撃っておいたほうがいい。2:1交換ができるなら上々だろう。






▼《砂漠の前線基地》


[1]  《砂漠の前線基地》


 通常、炎単の高速ビートダウンの場合、《砂漠の前線基地》は必要ない。始めからアクティブインで場に出る《猪の戦闘バギー》を使えばほぼ事足りるからだ。
 逆に言えば、これが出てきた時点である程度クリーチャーの予測がつく。さらに言えばデッキの予測がつく。初手が《炎のクリスタル》だった場合、ほとんどLSBかアクティブスパークと見て間違いない。


 LSBの場合、完全に弾として用いるものと、《シャハブIII》を始めとするミサイルで本体を狙うものが多い。カウンターデッキにとって《シャハブIII》は厄介な存在だ。
 アクティブスパークの場合、全体除去を入れていることは無いので、純粋にダメージレース勝負。できるだけの速攻を組んで押し負けないようにしたい。ただし、アクティブスパークは手札破壊に極端に弱いデッキなので、【手札抹殺】があるなら先に使う方が良い。


 なお、炎闇でもねじれ系やコックローチとの組み合わせで《砂漠の前線基地》を使うパターンがあるが、そういうデッキは闇側の属性が濃いので、初手で基地を詠唱する場合は二属性クリスタルから開始することが多い。






▼《炎つぶて》


[1]  《炎つぶて》×n


 最近ちょくちょく見られる、軽量バーンの第一手目。《エネルギー変換機》を含まず、最大でも5MPくらいまでの軽いカードを使う。
 防御の要はやはり《灼熱波動》や《熱波》。確定状況でない限り、絶対に1枚はクリーチャーを温存するべき。あまり焦らなくても、全体除去や《劣化マグネシウム弾》でダメージを受ける。大体15点ほど削れば勝てるだろう。


 場に何も出さないデッキの常として手札破壊に弱い。手札が枯渇するのが速いので、破壊するなら早めに。

 炎の場合、この時点でビートダウンの可能性は極めて低い。