賢い親は知っている。

子を任せる場を、

結果や光の部分だけで判断しないで、

輝く前のカテゴリーの選手の姿にその真実を見ることを。

下のカテゴリーの指導者の心柄・気だてにそこの可能性がみえること。

そこの関わる大人の知性と情熱を判断基準にすること。

結果・待遇で軽々に判断しないこと。

そして、

愛おしい15歳の挑戦の場を決めたなら、

その瞬間、自立を促しお任せすること。

この時期のボタンのかけ間違いは起こしてはならぬ。

また賢い親は知っている。

挑戦はうまくいかない日が多い。簡単ではないことを。

人の暮らしは三風五雨(さんぷうごう)だと。

人生を10日間としたら、晴れる日は2日ぐらいで、

3日は風が吹き、5日は雨が降るのだと。

風が吹いたり雨が降るのは当たり前、

そう考えて元気を出せよという。

安心安定の人生などありえない。

今日の豪雨は、はるか先の宝となる。

若い未経験な親には、

10日とも快晴を期待する人がいる。

振り返れば明らかなように、

人生、何事もうまくいくわけがない。

不平不満が多くて「覚悟」が決まらないのは、

あまり世の中に期待しすぎるから。

現実を知らないで直視を避けているから。

多くの人はおのれを知らないで高望みし、

欲張りすぎるから、

「自分はついていない」「良いことがない」とため息ばかりが出る。

現実に極楽はない。

錯覚せず、欲張りすぎずが気持ちよく生きていく上での秘訣だ。

今にすべてを求めるな。

彼の人生に待ち受けるのはこれからここでの3年の苦難より、

もっとはるかに大きな波風。

青春に厳しさを経験する。

考えるべきは30年後の力強く生きる中年の彼の持つ奥深さと強さ。

未経験で幼稚だが純情な若者を大人に育てる。

良い若者ワルイ若者がいるわけではない。

例外なくいいところも未熟なところも

相持った素晴らしい可能性が今我々の目の前にいる。

ただ大切なことは

経験測でいえば

若き頃、己が苦労が足りないで切りひらけなかった若者が、

親や下級生に威張ったり、ねだったりすることで時を過ごすならば、

おおむねまっとうには生きれない、

生活を紡ぐ、家庭をつくる、お金を稼ぐことでも、正しく判断ができない。