指導のイロハ 2009

IDA SOCCER NIGHT SCIENCE

 

一、選手の勝負の機会を平等に保証せよ

 言うことを聞く選手を重用する指導者は最悪だ。そんな指導者が育成年代(中学生)にいてはいけない。生活や常識、能力に若干の問題があろうと彼らの「良いところ」を見つけろ。

 

二、選手に良いところがあれば、時には弱点に目をつぶってでも粘り強くチャンスを与えよ

 指導者の好みや思惑・野心で出場メンバーを固定したり、日の目を見ない選手を作っては絶対にいけない。どの選手にもさまざまなチャンスを与えよ。化ける選手が必ず出てくるチームなら、「俺も」と希望が持てるし、眠っている力を引き出すこともできる。練習時でも同様にチャンスを与えよ。

 

三、ポリシーに従って選手を起用し練習を行え

 周りの評価や勝たねばならないプレッシャー、見栄えやマスコミ、外野の干渉、親やOB会の視線から完全に自由になれる人間が指導者にふさわしい。そのためには、自分がいちばん選手を見ているという確信が何より必要だ。常に選手の練習に寄り添い、練習前後や私生活も見ないようでそっと気にかけることだ。

 教えるだけの指導では選手は育たない。ポリシーに従い、周りからどう思われようが最終的に自分がよい選手を育ててチームをつくるのだ、という責任感を持て。

 

四、選手の成長をイメージして励まし、負荷をかけろ

 伸びる選手、飛躍する可能性を持つ選手は、長い経験からだいたい見えてくる。ポイントはひたむきさ、自分に厳しいことなどさまざまだが、まあ練習をいかに100%でやるか、自主練習の内容の高さ、自己管理ができているか、人の嫌がることも進んでやれる人間かなども重要だ。

 選手の現状のプレーだけで評価したり、短期日の結果に捉われていると、大切なものが見つけられずに終わる。選手が指導マニュアル通りにできるかどうかで判断したり、選手を戦術のコマとして扱う指導者は失格だ。能力の高い選手を多く集めて勝つだけなら指導はいらない。

 

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 現場での育成・指導では、自分がどれほど考え深い人間として成長しているかが問われてくる。サッカーのことしか学んでいない、経験していない人間では、指導者としてはおおむねダメだね。他人の目が気になる男や、一貫した哲学がなく、意志も希薄な人間には無理な話だ。

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