指導者の意識革命 2001

IDA SOCCER NIGHT SCIENCE

 

 指導者たるもの、それぞれが狙いを持って選手を育てているものだ。その本当の狙いを知らずに、「体力がない」「スピードがない」「技術がない」などと評論家のように簡単に片づけられてはたまらない。

 私は18歳くらいまでの選手はむしろ未完成であってよいと思う。ただし、その年齢までに絶対に身につけておくべきことはある。例えばボールを扱うテクニックのように、大人になってからでは間に合わないことは、そこまでに完全に収得させなければならない。

 今日の日本のサッカーでは激しさ、力、スピードばかりが強調されている。そのため、真のインテリジェンスに溢れた技能的プレイヤーが育たなくなっている。いくら日本人に体力と激しさとスピードを加えても、技術と頭脳がなかったら勝てるわけがない。

 日本のサッカー指導者は、冷静に過去の失敗をみつめ、正しい方向に目を向けなければ、これから先永遠に、歴史の中の失敗を繰り返すだけだ。今こそ指導者全体の意識革命が必要なんだ。

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