その一言

IDA SOCCER NIGHT SCIENCE 父母のあり方

 

愛する者を守りたいがため他人を責めるなら、

守るべき愛する子の心と希望は荒(すさ)んでいきます。

勝負する子どもの利害のすべてに親が関わる度に、

彼の夢がくすんでいきます。

歩き出そうとする子ども自身の苦悩に、親が入れ知恵するたびに、

掘り起こすべき才能の芽は深く埋没します。

 

 放任せよと言うのではありません。手前味噌を我慢しなさい、ということです。自分のすべてをただぶつけるのではなく、日々悩み、熟考し、いったん否定し、精査した上で、ほんの一言二言、指摘すればいいのです。それも多くて半年に一度です。

 その一言、親であっても、一五歳の子どもに発するなら、人格と生き方が問われます。

 思いつきや反射的な怒りは飲み込みましょう。子を愛するあまりの偏狭な道理は否認しましょう。怒りも、浮かれることも、彼の役には立ちません。感情は顔に出さずに、あなたのその言葉が、彼の心を大きいところから俯瞰できているか悩み抜くのです。