ダメな指導者の口癖
IDA SOCCER NIGHT SCIENCE 63
道理は平易な言葉で語ることができ、何なんびと人にも理解できるものである。「ストロングポイント」「オープンマインド」「グローバルスタンダード」「ポゼッション」「トライアンドエラー」「チャレンジアンドカバー」「ビルトアップ」「コミニュケーションスキル」……。受け売りの訳のわからない横文字を駆使する野郎を信用するな。
現実は奥深いが真理は平易だ。「自分の権威」を大切にする輩は難解な横文字で上目使いで論文をしたためる。
かつてイタリアでは、権力におもねって特権を得た宮廷学者はラテン語で天動説を説いた。一方、ガリレオ・ガリレイは簡易な言葉と表現で、パドヴァの一般民衆がわかる現地の言葉で「法王の椅子が中心ではない。太陽を中心に地球は回っているんだ」と地動説を説いた。
平易な言葉で表せないものは、往々にして論理に一貫性がない。ダメ役人の言葉は意味不明だし、ダメ学者の論文はチンプンカンプンで、ダメ指導者は意味さえ知らぬ横文字の羅列が日常だ。
それは人々を納得させるものではなく、往々にして自己満足で自己完結にすぎないことが多い。多数の人々がわからなければ、主張に一定の真理があったとしても、その意味は消滅する。
大学で私たちはこう学んだ。難解な言い回しで、さもない現象を解釈する言葉遊びのニセインテリは「俗物」として最大の侮蔑の対象にすべきと。横文字を使うことに熱心なエセ知識人と指導者には気をつけろ。
現実の奥深さを表現する言葉には哲学とウィットがある。
そして、難しい言葉をときどき入れて煙に巻こうとしているこの文章にも騙されるな(笑)。