親の役目
IDA SOCCER NIGHT SCIENCE 父と母の役割46

 親や大人の役目はなにか。
 名声が欲しいとか、下らぬ自慢の種になるとかで子を育てていませんか。
 諦めず、考え深く、どこに出しても恥ずかしくない子に育てること。
 まあ、それがなかなかムズカシイ。
 中学生までの子の心は親の生き方そのものの産物。
 ともに過ごす長い長い時間がつくるもの。
 幼少期は親が鏡で、親や大人が受け入れられないことは子も決して身につけることはできません。
 親の愛により紡(つむ)がれる自己肯定感と達成感、そして他人を思いやる社会性が必要です。
 才能や興味を引き出し、思い切って伸ばすのは、親自分が信念や生きがいを持って、日々精一杯暮らし、そばに子どもを置いて、そんな自分自身の姿を見せることです。
 善悪を教えるには、親自身の生き方の選択で正義を子どもに示すのです。
 知的興味を持たせるには、塾通いをさせるのではなく、大人自身の学ぶ姿を子の眼前に示すことです。

仕事を楽しんでいますか

 昨今は、中小企業や商店の後継者不足が問題になっています。
 その大きな原因の一つは、親自身が楽しそうに仕事をしていないことです。
 親が日頃、仕事に対して不平不満を言い、つまらなさそうな顔ばかりしていたら、子どもが跡を継ぐわけがありません。
 もしそれが偽(いつわ)りの楽しさだったら、子どもにはすぐに見抜かれる。
 心底楽しんで仕事をする人は、辛いことも、嫌なことも、苦労もすべてさらけ出してもなお、好きで楽しいという気持ちがにじみ出てくるものです。

 人の発する言葉や態度には、時として自分を偽り飾ることがあります。
 しかし、その人の実際の具体的行動には、嘘はない。
 「楽しく一生懸命やってます」と言う人が、毎日遅刻したり、ダラダラと嫌そうに仕事をしたりはしないからです。
 人を変えようとするよりも、まず自らが、感謝の気持で楽しく生きること。
 本当の気持ちは、物言わずとも子に伝わるものです。
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