日本人は打たれることで初めて強くなる、と考えられないだろうか。言うまでもないが、それは指導者のシゴキでも、先輩の後輩いじめでもない。挫折を糧にする、ということだ。

刮目(かつもく)すべきは、日本代表で活躍するような選手の多くが、挫折から再起している点だろう。本田はガンバ大阪のジュニアユース出身(中学生まで)だが、ユースに昇格すらできていない。そのときの屈辱が、彼を強くした。長友、岡崎、小林悠、中村憲剛、大島もユース年代は全国的に無名に近い。長谷部もエリートのように扱われるが、ワールドユース(現在のU-20W杯)では年下選手にポジション争いで敗れ、メンバー外だった。

そういう選手の多くが、いずれも部活チームで育っている。これは見逃せない事実だろう。