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今この瞬間をあなたはどう思う
「ありがたい」か「不満だらけ」か
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「水色の天使」
あるところに結婚20年経つ、とても仲のよい夫婦がいました。 妻を亡くしてから一年経ったころにも「妻にもう一度会いたい」と毎日願っていたところ・・・その願いが通じたのか、ある日、水色の天使が彼の前に突然現れて言いました。 「亡くなった妻と一緒に過ごした日に戻してあげましょう。」 彼の顔に久しぶりに笑顔がこぼれました。 そして水色の天使が続けて言いました。 「しかしルールがあります。 あなたはその日が終わるまで、 彼女に今この約束したこと
未来に起こることを伝えてはいけない。
そしてその日はゆっくりと二人で過ごせるように 私が見守ることを保証しましょう。」
彼は大きくうなずいた。 あっ!眩しい・・次の瞬間 すがすがしい朝、どうやら朝食の時間のようだ。 状況として・・私は平日なのに休みをとっているようだ。 妻もここに居る。子どもたちはおばあちゃん家に。 あっそうか、夏休みだ。
「あら、クーラーつけたの?あなたは相変わらずに暑がりねぇー」 久しぶりの妻の声に涙が出てきた・・・気づかれないようにそっと拭いた。 彼「ねえ、今日はどうしよう、ずーっと一緒に居れる?」 妻「そうねえ」 彼「美味しいランチでも行こうか?」 妻「やったあー」と嬉しそう。 とても心地よい朝食の時間を過ごした。 いつも窓から見える景色と変わりはないが、今日はとても鮮やかに見えた。 妻が朝食の後片付けをはじめ、私は新聞を読み始める。 この間合いも懐かしい。 懐かしさを味わいながら私の目は新聞どころではなかった。 妻の台所に立つ後姿へと。 食後に妻が庭に出て花壇の手入れをはじめた。 家庭菜園の収穫である。 妻が、「今日は天気がよく気持ちいいー」と伸びをした。 私も真似をして伸びをした。 なんて気持ちのいい気候なんだ、夏なのに暑すぎず、とても気持ちいい。 しかも今日は珍しく誰からの電話も無く、邪魔も入らない・・・ その時に天使の話を思い出した。 「守られているんだ、そうだ今日は絶対に守られているんだ、素敵な日になるように・・・・」 楽しい花壇でのひと時を過ごし、ダイニングでコーヒータイム。 いつもよりゆっくりとコーヒーをたてた。 そしてゆっくりと飲み始めた。 私は普段と変わらない振る舞いをした。 ただ違うのは妻の話を、ひと言ひと言を聞き漏らすまいと耳を傾けた。 そしてすべての動き、手を止めて彼女の話を聞いた。 私にできることはただそれだけだった。 そう、それしかできないことにも気づいた。 そうなんです。
私たちが生きている今日はいつかの未来に水色の天使にお願いして、お願いしていただいた今日かもしれません。 そして守られている一日を過ごし、そしてできることは目の前に居る人の話を思いっきり聞いてあげること・・・・ |
