覚悟は生活に出るんだよ。

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言わずに見ておこうと寮長の田原、嶋達と春に確認した。
そして、半年。
つくっていただいた弁当を残して捨てる者がいる。
トイレが臭く同じゴミが数日間放置されている。
風呂にカビがこびり付いた場所がある。
洗面所がくすんだ感じになっている。
風呂足ふきマットが濡れたままの時がある。

覚悟があると小さい声でいうが(笑)
覚悟は生活に出るんだよ。

そして生活の細部に出るものが試合と人生の大切な瞬間に出るんだよなぁ。

経験したことのないことを受け入れない、理不尽を正面に受け止めれないと気がつかないモノ。
しかも他人に指摘されないで自分で気が付けないと先はないんだな。それが先に進む者の資質。
自分に事の解決を問う。
「反求諸己」ということだ。
夢を追う一員としての自分を今の自分の生活から問え。

山本理工が去年、足ふきマットを洗濯し干して敷く仕事をやっている時の事件。
3年の松尾宣秀がオレのバスタオルがないと探し回ったが見当たらず、仕方なく風呂に入ろうとして着衣を脱いだ瞬間、松尾の足元にそれは「あった」丁寧に乾かして整然と並べられたほぼ真ん中に松尾のかわいいバスタオルが敷かれていた。
理工の緊張した顔と松尾の困り顔は今では大爆笑エピソード。

10.08寮生幹部ミーティング

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「反求諸己」という言葉を紹介します。この言葉は私が高校から大事にしているものです。全ての問題の根本は自分の中にあるという意味で、何をするにしても全てが自己責任ということ、またサッカーを追求していく上で自分はどうあるべきなのか、今の生活がレベルアップに繋がっているのか、を意識する為に胸の内にいつも秘めています。また同時に、私が過ごしてきた静岡学園での寮生活で、何を学んできたのかが詰まっている言葉でもあります。

私は小学生の頃からの仲である望月大知さん(4年)の後を追い、静岡学園高校への入学を決意しました。全員にこだわりがあり、それぞれの個人技やストロングポイントを重んじるチームで、「rhythm technic intelligence」をモットーに、足元の技術のスキルアップや対人での絶対的強さを養う為、日々のトレーニングに全員が励んでいました。全国からおよそ180人(当時)が集まり、お互いに磨きをかけ競争し、また何かこだわりを大事にして競争していました。

私を含め、多くの選手が親元を離れ寮生活をしており、寮生活というと決められた生活を全員でこなすイメージがあると思いますが、私達の寮にも与えられた規則が3つありました。門限、挨拶、そして自由です。寮では、自立し何かを我慢し、何が出来るのかを常に考え行動に移すことをテーマに過ごします。自由だからこそ出来ることが沢山あり、自由だからこそ一人のサッカー選手としてやらなければいけないことがあるということを区別し考える。口では言えても意志の強い者でないと大きく道を逸れたり、プレーの質が落ちたりと言葉に出来ない目に見えない意識が結果として現れてしまう簡単なようで非常に繊細で難しい経験でした。

そこで寮監の方が私達に投げかけてくれていたのが先ほどの「反求諸己」という言葉で、自分自身に問題が生じた時や上手くいっていない時、また逆に達成した時にあえて日々の生活に焦点を当てるよう意識付けられていました。生活の質が直接的にプレーの質を落としたり、体を動かなくさせたりなどはしませんが、生活での甘さはプレーの甘さに比例していくことがあると実感していました。意識とは、単なる抽象的なものではっきりしないものではあると思いますが、日々の生活や練習中の高い意識は人それぞれにあり、それが体現できるものに良いパフォーマンスが付いてくると私は思います。私の高校の同期は生活の質がプレーの質に比例すると実感すると共に、一人ひとりの意識の高さが芽生え、結果的に真面目に日々の生活から取り組む意識の高い集団になり、また全力でサッカーに取り組める環境を自らで作り出す能力がある良いチームだったと自負しています。

慶応義塾大学3年・手塚朋克(2013年度静学サッカー部立志寮長)