そういえば、圧倒的多数の国民にとって、昭和にはサッカーの景色はなく読売巨人軍選手がほぼ毎晩、食卓の向こうのテレビにあった。おじさんと少年の会話は巨人だった。

静岡だけは景色は全く違っていた。
40年前住みはじめたら、そこにはすでにメジャーな高校サッカーがあった。ここのおじさんと少年の会話は高校サッカーだった。
長谷川健太が大榎克己が堀池巧が沢登がアデミール・サントスが平沢などの高校生がスーパースターだった。
そして、清水ではすでにどこの小学校でも放課後には、多くの少年がサッカーを楽しむあった。やけにサッカーがうまい地域のオッサンがいた(笑)
そして93年Jリーグが始まり、全国のすみずみの景色が、食卓が年々変わっていった。
俺たちが子どもの頃、特別なプレゼントといえば、「野球のグローブ」に決まっていた。オレの場合、親父が買ってきてくれた黒いグローブが右利き用だったのは悲しかった。心の中でつぶやいた「僕左利きです」と(笑)でも本来左手にはめるグローブを右手にはめ当時車があまり通らなかった道路で野球を楽しんだ。
あれからわずか20数年、日本の景色は、スポーツめぐる生活の背景は一変した。

プロ野球評論家の張本勲氏(75)が5月1日、TBS系「サンデーモーニング」で、イングランド・プレミアリーグでクラブ創設133年目の初優勝に王手をかけている日本代表FW岡崎慎司(30)が所属レスターについて「よその国のことでやっていること。100年だろうが300年だろうが関係ない」と関心がなさそうに話した。
番組では岡崎選手がチームを引っ張ることなどを紹介したが、張本氏は「よその国のことでやっていること」と興味がなさそうな様子。「100年だろうが300年だろうが関係ない」として、番組は鈴木桂治さんの苦笑とともにテーマを切り替えていた。
張本さんは、自分の出身の2000本安打を達成した日本のプロ野球を世界の中心に置いて発言する。
あのきらびやかだった戦後日本のプロ野球がすべてだ。
そういえばアメリカMLBのイチローの500盗塁などの活躍も恐ろしく彼の中の評価は低い。
この番組の偏向を見ながら感じるのは時代錯誤の「憤り」ではない。
この番組は日本が過ごしてきた「ノスタルジー」を我々にもたらしてくれる。
20年後。イチロー、大谷、ダルビッシュのような怪物もきっとサッカーが主要な選択肢になるのかもしれない。
日本のスポーツの移り変わりを身を持って見せてくれる張本さんにある意味、感謝だ。