夢を生きる人、あきらめる人
40代になってくると、
- 希望と夢をもって生きる人生
- 退屈を感じながら生きる人生
- 絶望とともに生きる人生
の3種類に分かれていきます。その3種類の生き方は具体的にはどう違うのでしょうか。
「希望と夢をもって生きる人」は、自分の夢はいずれ実現すると思っています。彼らは、自分がやることはきっとうまくいくだろうと考えています。
「退屈を感じながら生きる人」は、安全な領域から出ようとしない人です。
「絶望とともに生きる人」というのは、過去のいろんな体験のせいでどうせこれからもうまくいかないだろうと考えています。また、世の中に対して悲観的にとらえがちです。彼らはそこにはまりたくてはまったわけではなくて、気がついたらそうなっていたのだと思います。誰も好きこのんで、うつ病になったりはしません。一生懸命生きていたのに真面目さがたたって、気がついたら自分の心が暗い雲に覆われてしまったりするのです。
そういう人は自分の心がなぜ疲れてしまったのか、原因を探っていく必要があります。そして、自分を癒したあとに新しい方向性を見つけてください。いずれにしても40代はこの3つの中からもう一度、本当に自分が望むコースを選択するタイミングなのです。この3種類の生き方から、あなたはどれを選ぶのでしょうか。
夢をあきらめた人のサンプルを見ておく
あなたのまわりにいる50代や60代にはどういう人がいますか?
いまでも自分の夢をあきらめずに追いかけている人もいれば、すでに生きる屍のようになってしまった人もいるでしょう。あなたのまわりにいる夢をあきらめてしまった人は、どんな感じで生きているのでしょうか?
また、夢を実現しつつある人はどんな感じでしょうか?
本当は好きじゃないけど、会社にいてとりあえずお給料をもらっておこうという上司を見てみましょう。そして、彼らのようになりたくないのであれば、あなたはどう生きたいですか。
40代は夢を忘れてしまいがちです。自分の子どものことや家庭のこと、仕事のことや経済状況。そして、親や周囲のことなどでやることがいっぱいです。夢どころかとにかく目の前の雑事がありすぎて、5分と自分の時間を取れないという人もいるでしょう。40代を失われた10年にするのか、いままでの人生の中で最高の10年にするのかはあなた次第です。
夢をあきらめてしまったら、あなたにいったい何が残るのでしょうか。人生には2種類しか進む方向がありません。生きるか死ぬかの2つです。ゆっくりと死ぬほうに向かっているのか、それとも命を燃やしていくのか。この2つに大きく分かれています。あなたのお子さんやまわりの人は、あなたの生き方を見ています。あなたはどんな人生をまわりの人たちに見せたいですか?
自分の可能性と未来を信じる
パナソニックの創業者である松下幸之助さんは「成功の秘訣は何ですか?」と聞かれたとき、「成功するまでやめないこと」と答えたそうです。
イギリスのチャーチル元首相も大学で講演を頼まれ「ネバーネバーネバーネバーネバーネバーギブアップ!」とだけ叫んで演壇から降りたそうです。その講演を聞いた人は一生忘れなかったでしょう。チャーチルがどれだけすばらしい講演をするよりも「絶対絶対絶対絶対絶対絶対にあきらめるな!」とだけ叫んだほうが、多くの人の記憶に残ったと思います。
私も恩師に、1つだけ忘れてはならないことを聞いたときに「一度心を決めたら絶対にあきらめるな!」と言われました。心がしっかり定まっていたら、たいていのことは突破できるということを教えたかったのでしょう。人生で大事なのは才能でも人脈でもありません。「決してあきらめない」という能力なのです。
いままで、すばらしい恩師からたくさんの宝物のような言葉をもらってきました。その中でもいちばん大切にしているのは、「君は必ず失敗する!」という言葉です。最初に聞いたときは呪いの言葉か冗談だと思いましたが、よく考えると人生で挑戦すればするほど本当に失敗するのです。要はそこからどう立ち直り、また夢に向かって進むかということなのです。
「決してあきらめない」――この言葉は一生大切にしたいと思います。ひとことで「あきらめない」といっても、考えていくと奥が深いのです。それは自分の可能性をあきらめないということであり、同時に他の人たちの可能性やすばらしい未来を信じるということにもつながってくるのです。