「井戸は深く掘れ」
2011年3年生を送る会・井田勝通
40数年前、誰もやっていなかったプロコーチを始めた頃、読んで感銘した本の一節だ。そして今日、卒業する選手の真っすぐに苦労を受け止め頑張る姿と言葉を聞き、
受け継いだ若きコーチの熱い情熱と決意を聞いて、
尽きない井戸は40年の歴史の中で、奥深く深く掘られているかなと感じている。
決して希望通りにいかなかった、悔しい事も多かった3年間を前向きに思い起こし、
その頑張りで花開くまであきらめない先への頑張る決意、
自分の希望を後押しして支えてくれた親への感謝、
総じて大丈夫だと思うことが出来た。
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103歳になる医師の日野原重明氏の講演を先日聞く機会があった。
そこで俺が学んだモノを少し。
それは
103歳にして「私の人生はこれからが本番」と言いきれること。
日野原さんはこういうことを言った。
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自分の人生に起こることを「運命だ」と受け身的に捉える人が多いが、
私はいつも「あなたの運命をデザインしなさい」と言う。
人生はよいことばかりではないが、
誰かとの出会いを契機によい方向に変えていくこともできる。
運命は与えられるものでぱなく、
自分から動いてデザインしていくものだ。
そうやってあなたの生きる道を選び取り、
つくり上げていきなさいというのが、
いまの私から伝えたいこと。
人間という存在や命には必ず終わりがある。
その終わりまでの与えられた時間を、
どうすればギリギリまで有効に使えるかということを私はいつも考える。
例えば私はいま2011年から2020年まで使える10年手帳を使って
そこにスケジュールを書き込んでいるが、
2020年を迎える時には私は数えの110歳。
統計によると、私の人生はあと一年足らずしかないそう。
だから自分には死の足音が確かに聞こえてくるように思う。
にもかかわらず、
私は常に「上を向いて歩こう」という気持ちを持っている。
とにかく私の命は神様から与えられたもの。
その与えられたものに対して自分自身がどこまでも充実して、
感謝して生きていきたいと願い、
全力疾走を続けているところ。
人生、これからが本番。
これから本当の人生が始まる。
みなさんの人生もこれから本番が始まる。
私は百歳を機に、
新たに人生のスタートラインに立つ覚悟を持っています。
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サッカーも後半戦の方が面白い。
なでしこが後半の終盤で追いつき、延長戦でも食らいついた末、PK戦で勝利して遂に世界一になった。
人生もまた同様に、延長戦の中に本当の学びと実りを持つような、
一途一心に歩まんとする姿勢こそ大切だと思う。
「あきらめるな。限界で止まるな。限界を越えろ」と言いたい。
鳥は飛び方を
変えることは出来ない。
動物は這い方、走り方を
変えることは出来ない。
しかし、人間は
生き方を変えることが出来る。
自分のためにでなく、
人のために生きようとするとき、
その人は、もはや孤独ではない。