インターンを申し込んで、名刺整理をやらされブチ切れた学生のメンタリティをみて、本当にさいきんよく観察される典型的な意識の高い(笑)学生そのものだと思いましたので、もう一度その特徴を書いておきます。
イメージ 1まず、こういう学生は、マーケティングか戦略がやりたいという。もちろんマーケティングの経験やスキルはゼロである。
しかし、名刺整理という、もしかしたら、社長マーケティングの生データをインターンに渡したわけだが、インターンは、それをマーケティングの仕事と認識しなかった。つまり、彼は本質的には、マーケティングがやりたいのではなくて、
マーケティングをやっている自分の姿に憧れる
ということなのだ。あくまで、目線が自分目線なのである。要するに、
やりたいこと(内容)ではなく、なりたい自分の憧れ(状態)を描いて、それを自分のやりたいことや、目標だと、混同してしまう。
本来的にいうと、目標というのは具体的な行為だったり数値だったりするので、例えば、エベレストに登頂するとか、売上1億円の企業を作るとか、マラソンで3時間を切るとか、そういうものだとおもうのだが、例の学生のような思考だと、行為や数値ではなく、「状態」をゴールとしてしまう。
つまり、
・有名企業のマーケティングにかかわって、カッコいい自分
・エベレストの遠征隊にくわわって、登頂を応援している自分
・社会貢献をして、世の中で認められている自分
そういう、ようするに、あこがれの状態自体をゴールにする。
本来、こういう「状態」は、何かの「実績」をつくったあとのゴールの状態なのであって、順番から言えば、
実績をつくる → 憧れ状態になる
というステップが必要だ。
しかし、多くのインターン学生は、あこがれ状態の方にフォーカスするので、その憧れ状態が最初に訪れないと不平不満を持つ。
憧れ状態の地位に入れてもらう → 実績を作るように頑張る
という、順番が逆なのである。当然のように、実績をつくる→憧れ状態になるを提案したのだが、インターン学生は、憧れ状態の地位に入れてもらう→実績を作るように頑張るなので、噛み合わなかった。
仮に、マーケティング部でインターンさせてあげるという憧れ状態を提供していたとしても、今度はそれで満足してしまうので、実績は出さなかっただろう。
「将来の夢は起業することです」
こういうひとが、滑稽に映るのは、起業が数値目標ではなく、あこがれ状態だからだ。
憧れ状態を、目標と言ってしまうから、こういう人たちは滑稽に映るのである。
もう一度、こういうインターン学生の特徴をまとめる。
①状態と目標の混同
数値目標ではなく、自分のなりたいあこがれの状態を目標としてしまう
②プロセスへの無関心
憧れ状態が目標なので、それが最初に手に入らないと不満である。途中のプロセスに対する興味が無い。つまり、経験を積んだり実績を残したりすること自体に興味を持てない。
③実現手段の欠如
経験を積んだり実績を残すプロセスに興味をもてないのだから、つまり、どうやって目標を実現するのかについては何も考えていない。
例えば、マーケティングのインターンがしたいというのだから、マーケティングに対してアイデアや提案があるのかと聞いてみると、それがまったくない。でもマーケティングの仕事がしたいという。
こういう学生が多いので本当に理解不能だったが、①②を踏まえれば、なぜこういう思考になってしまうのかは、合点が行くようになった。