イメージ 1レジリエンスとは、
最近、ビジネスの世界で注目を集め始めている言葉で
もともとは心理学や精神医学の世界で使われていた
「精神的回復力」を意味する用語です
レジリエンスとは、ごく簡単に言えば
もとに戻る力」のことです
人は嫌なことがあったとき
辛い経験をしたとき、精神的に落ち込みます
でも、しばらくすると
「いつまでもくよくよしてはいられない!」
と自分を奮い立たせたり
あるいはいつの間にか忘れて
さほど辛くなくなったりして
再び元気を取り戻します
この苦しみや悲しみを乗り越えて立ち直る力
それがレジリエンスです
同じような辛い環境にあっても
ダメージの受け具合
立ち直りの早さは人それぞれ違います
レジリエンスの高い人は
ストレスや環境の変化に強く
立ち直りも早い
レジリエンスの低い人は
ちょっとしたことで傷つきやすく
なかなか立ち直ることができません
最悪の場合は
立ち直れずにつぶれてしまいます
こうした精神的なレジリエンスの他に
私たちはもう一つ
レジリエンスを持っています
それは身体的レジリエンスです
私たちの体は、ちょっとしたケガなら
特に治療などしなくても
放っておけば数日で治ります
風邪を引いたときも、
薬なんか飲まなくても2、3日寝ていれば治ります
こうした自然に治る力を
「自然治癒力」といいます。
体を守り、治し、よい状態を維持する力
それが「身体的レジリエンス」なのです
「病は気から」の言葉通り
前向きな気持ちを持つことが
身体的レジリエンスを高め
ネガティブな気持ちを持つことが
身体的レジリエンスを低下させるのであれば
医療に大きな希望の光が差し込みます
なぜなら、前向きな気持ちを持つためには
精神的レジリエンスを鍛えればいいことが
すでにわかっているからです
精神的レジリエンスは、年齢に関係なく
鍛えることができるのも大きな救いです
気の持ちようで、人は幸せにも不幸にもなる
人は病気になったから
不幸になるわけではありません
病気でも
喜び・楽しみを見つける人は幸せになり
苦しみ悲しみを見つける人は不幸になります
「治る病気」は、あなたがレジリエンスを
高める気持ちを持てば、速やかに治ります
「治らない病気」は、
あなたがレジリエンスを高める気持ちを持てば症状が和らぐので
治らなくても
充実した幸せな人生を楽しむことができす
まさに、レジリエンスによって
人はぴんぴん生きられる
多少の不調や持病があったとしても
不満や不安とうまく折り合いをつけながら
前向きにぴんぴん生きる人は
健康といえると私は思うのです
 
『誰でもぴんぴん生きられる』
帝京大学医学部外科准教授 新見正則