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「夢」実現する熱
-井田勝通2010/4/24 父母懇親会酔っぱらい挨拶
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 何としても勝ちたいという思いが持てるのか。
 松下幸之助という人がこう言う言葉を遺した。
 “何としてでも二階に上がりたい”という熱意があれば、ハシゴというものを考えつくんです。
 ところが、ただなんとなく“上がってみたい”と思うぐらいでは、そこまではいかない。
 “何としてでも上がりたい。自分の唯一の目的は二階に上がることだ”という強い信念がある人が、ハシゴを考えつくんです。
 軽く生きるな。刹那で生きるな。君たちの夢はつながっている。わかるか。
 私たちは自分ひとりで生きていると考えがちだが、そうではない。実は多くの先人、現代の人々のお蔭で生きている、いや生かされていると考えるべきだろう。
 自分を中心として縦に家系を遡ると、まず両親がいる。その両親にもそれぞれ両親がいた。 これを25代遡ると親の数は、3千3百55万4千4百32人という大変な数になる。現在50歳の人の25代前の祖先は、鎌倉時代末期の誕生となる。更に、その2倍の50代前までの親の数は1千125兆8999億684万2624人という膨大な数となり、時代は奈良遷都の14年前に遡る。
 こうした歴代の実に多くの祖先の血が、私たちの体の中を融けあって流れ、現代を生きているのである。
 それらの祖先がどんな名前で、どんな性格の人であったかは知る由もない。長い間の出来事だから、中にはステバチに生きた祖先がいたかも知れない。但し、多くの祖先は幸せになることを願って営々と働き、我が子の幸福を願って生きていったことであろう。
 しかも人間はこの世に生まれた時は、強い生命力をもつ選ばれた存在として、保障されてきている。父親のもっていた3億乃至5億といわれる精子の中の選ばれた、たった1個と、これまた約30万という母親の卵子の中の選ばれた1個が結びついて、母親の胎内で育ち、誕生を迎えるのである。このことは人間一人ひとり顔・形は違っていても、誰にも共通している事実である。こうした神秘的ともいえる歴史を背負って私たちは生きているのである。
 そして誕生してから一生の間にお世話になる人の数は、約300万人といわれる。
 限りある人生、長くても精々百年である。
 200億光年という永い宇宙の歴史や、約46億年という地球の歴史から比べれば、人間の一生は実に短いものなのである。
 その人生を、欲望のとりこになったり、争ったり、人を陥れたりして過ごすのは、誠に愚かといわざるを得ない。
 万物の霊長として如何に生きるか、貴重な時間をどう使うか、一日一日をどう充実させるかは、人生の一大課題である。
 哲学者カントは「この世の中に美しいものが二つある。天に輝く星とわが心の内なる道徳律」といって、人間らしい生き方を求めた。   
 それは、「この世に生まれたことを感謝し、家族・近隣から始まって、広く人々と手を携えて清らかに生きる、そして限りある人生を尊厳なものとし、悠久の世界に結びつける」ことなのである。
 私はそんな思いを大切にしていきたい。